明日に向かって歩く、でも
立ち止まりたいけど、立ち止まれない
マグロのように進み続けて生きていくしかない
明日に向かって、それって未来ってことでしょ
歩き続けて壁にぶつかって、何もかもが嫌になる
明日に向かって歩く、でも歩きたくなんてない
いっそのこと立ち入り禁止の看板を掲げて歩けないようにしてほしい
ここからは進入禁止ですって止めてよ
立ち止まっていい言い訳を頂戴よ
ただひとりの君へ
きみへの想いの感情を否定して疑って、どうして出会ってしまったんだろうと後悔に苛まれたときもあった。
守ってやらないと、そばにいて支えてやならいとなんて決めつけて、本当に必要なときにはそばにいることをしなかったくせして。
どこで間違えたか自問自答を繰り返しても答えなんてひとつもわからなかった。
きみが泣かないでいいように。屈託ない笑顔で笑いかけてくれるように。そう望んだだけだったのに。
君を傷つけたことをただ謝るばかりだ。
手のひらの宇宙
きらきら。きらきら。
星のかけらを手のひらに広げたら、色とりどりの星が踊るように散らばった。
閉鎖的な瓶から飛び出して踊りあかす星をひとつ捕まえた。
捕まえた星を躊躇なくぽいっと口に放り投げた。
彼女の言った通り。星って甘いんだ。
風のいたずら
いや、もうさ、これしか浮かばなかった
風のいたずらって
ラッキースケベしかないと思うのは私の感性がないからだよね
寒いと縮こまって歩いてると目の前には好きな子
今日も可愛いなって見てたら通り風
風でふわりと舞うスカート
見るつもりなんてこれっぽっちもないのに見えてしまった
慌ててスカートを押さえてきょろきょろと周りを確認する彼女とばっちり目線があっちゃった
見たなとじと目で睨まれて、誤解だと弁解するように追いかける
こんなラブコメしか浮かばないよね
透明な涙
音もなく流れ落ちる無色透明な雫。薄紅に色づく頬を伝い重力の力によってぽたぽたと落ちていく。光の屈折によって雫は煌めいている。
その光景を見てただ綺麗だなと思った。
なんで泣いているのだと問い詰めようとしたのを忘れて、彼女が泣く姿に魅入ってしまう。
だから嫌なんだ。彼女が泣く度に目が離せなくなるから。けして泣かせたいとは思っていないが、泣き顔は俺以外に見せないでほしい。
君の泣いた姿が好きだなんて言ったら怒られるだろう。今後一切泣き顔を見せてもらえなくなる。それは困るからできれば避けたい。
腕を伸ばしていつも通り素知らぬ顔をして涙を拭った。
嗚呼、なんてかわいい人なんだろう。