隠された真実
隠し事のひとつやふたつ誰にだってある
全部を曝けだす必要はないはず
わかっていることなのにそれを求めてしまう
我が儘な自分に自己嫌悪する
それなのにやっぱり求めてしまう
心の奥底にバレないように鎮めてないと
あなたが知る私は真っ白で綺麗な私
どろどろとした底無し沼のような真っ黒な私を知ることはない
隠された真実にあなたは一生辿り着くことはない
ふとした瞬間
下を向いたときに顔にかかる髪の毛に手を伸ばした
驚いた表情で見られて気恥ずかしくなる
誤魔化すようにゴミを取るふりをしてひっこめた手
一瞬でも顔が見られなくなるのが嫌だ
何気ないきみの顔もずっと見ていたい
ふとした瞬間のきみを今日も目に焼きつける
big love!
好き、愛してる
言葉にしなくても伝わればいいのに
行動とか、視線で気づいてほしいけど、それは難しい
だって同じ人間じゃないからわかれっていうほうが無理にきまっている
直接言えれば心配や不安もなくなるけど、それが言えないから困っている
だって恥ずかしいから
面と向かって言えるわけない
話すときは相手の目を見て話すんだと言われたけど無理!
嫌いなわけないし、なんなら好きだし
大大大好きなんだけど言えるわけないじゃない!
この募らせた大きな愛をどうやったら伝えることができるんだろう
物語の始まり
変哲のない日常を過ごすして、物語の主人公みたいに突拍子のないことが起こらないかと教室の窓から見える雲を眺める。
教室で授業を受けてたら、異空間に転生しないかな。
帰り道に突如、地球外生命体と居合わせないかな。
お風呂上がりに魔法少女になってと頼まれないかな。
とか、ありもしない想像をしてみて現実離れしすぎてどれも実現しなさそうだと苦笑いした。
ひと握りの希望がありそうなのは転校生がくるくらいかな。そんな話は全く聞かないけど。
明日の朝、トーストを食べながら「遅刻、遅刻」って走って学校に行ったら、外壁の先で誰かに打つかるかも。それで恋に落ちちゃったりして。
「消しゴム落ちたよ」って隣の席の男の子が拾ってくれた。
彼とは仲良しの部類に入るけど、ここから恋に落ちるとかないな。
不思議そうに見てくる彼にお礼を言ってまた雲を眺める。
物語の始まりってどこにあるんだろう。
私も漫画の主人公みたいに物語の中心を生きたいなあと数学の意味不明な授業をBGMにして、平和な午後を過ごす。
静かな情熱
ルビーの石言葉って知ってる?
「情熱」なんだよ
だからルビーを贈る人ってその人も情熱的なのかな
って友だちが言った言葉が頭の中でぐるぐる回る
待ってくれ、少し冷静になろうか
俺のことなんてほったらかしにしてどんどん新しい話題をふってくるが、そんな話を聞いている余裕なんてない
ルビーを贈る人は情熱的だって
嘘だろう…そんなふうにみられるのか
じゃあ俺も情熱的なのかとか考えたくもないことがよぎった
指輪を渡すのに石言葉なんて男が意識なんてしないだろう
ただルビーの指輪に惹かれて選んだだけで、情熱的というレッテルを貼られるなんて思いもしない
幸いなことといったら恋人は石言葉なんて全くもって知らないということだ
だが、どこからか、誰からか、変な情報が彼女に伝わるかもしれない
それだけはどうしても阻止したい
自分の情熱なんて公になんてするものじゃないんだ
誰にも知られないようにそっと心にしまっておくものだ
あとさ、指輪贈るのって「愛してる」って意味なんだよ
それと「独占」っていうのもあるんだって
嗚呼、そのおしゃべりで余計な口をどうやったら黙らせることができるだろうか