イルミネーションは大嫌いだ。
つい先日のクリスマスイブに、私は彼に別れを告げられた。
聖なる夜だというのに。彼氏と過ごすなんて豪語していた私の立場がないじゃない。
冬の夜、数多の光がうるさい程に視界に入る。こんな惨めな私を寄って集ってからかっているようだ。
大体、ただの光の集合だと言うのに、どうしてみんなは夢中になってるの?
なんて自分に言い訳して、一人でホールケーキを食べてる最中。
すると、スマホの通知音が鳴った。
誰からか連絡が来たのだろうか。
僅かな期待を抱きながら、画面を見てみる。
「お前、今日暇?」
そこに表示されてたのは、高校時代の彼氏からのメールだった。
何故今???
ここ数年、ちっとも連絡をしてこなかったくせに。
大方、相手も今夜を共に過ごす相手はいないのだろう。予想は出来た。
これで寂しさを紛らわせる。私は自身の心の隙間を埋めてほしい。その一心だった。
こんな不純な理由で返事をする私を許してほしい。
相手の住所が送られてき次第、私は急いで支度した。
対して 似合ってない、野球部みたいな黒髪短髪 。
中の上、何処にでもいるような 顔 。
いっつも忘れ物ばっかして 。
試合で 負けた時だって 、みんなの前では 平気な顔して 校舎の裏で泣いてる奴 。
傘、1本しか持ってないくせに自分が濡れてまで私に貸してきて 。
何故、こんなにも彼に執着してしまうのだろう。
理由なんて、分かりきってるはずなのに。認めたくない。認めたら、なんか、やだ 。
素直に なんて一生なれない 。
なんなの あいつ 。
私の心に ずかずか 入って来ないでよ 。
「 違うんです 、あの事件の犯人は○○さんじゃないんです!!! 」
今日も 、あの子は 声高らかに叫び続ける 。
「 あの日 、あの人は 事件現場には 居ませんでした !見たんです私は!」
そう言っても 、誰一人と 聞く耳を持たない 。
いつまで 叫び続けるんだろう 。
あの事件は とっくに時効が過ぎてるのに 。
「 お願いです 、話だけでも…… !」
誰にも 信じて貰えずに 、可哀想な子 。
あの子は毎日こんな調子だ 。流石に 警察官も ぐったりしている 。
嗚呼 、うんざりする 。
いっそ この子も 消してしまおうか 。
あの 両親と一緒に 。
イライラする気持ちを 必死に抑え 、彼女の横を 通り過ぎていく 。
…… 彼女の 視線が痛い 。
ハッキリと 、こちらを見つめている 。
「 あ 、あの人だ 。」
「 おはよ 。」
挨拶を してきたのは 貴方 だった 。
「 あれ 、いつもと 服装が 違うね 。そっちの系統も 似合ってるじゃん 。」
「 あ 、 ありがと 。」
彼が 話題を 振ってくる
私は 人と会話するのが 苦手 。
いや 会話だけでは無い 、私は 何に対しても
受け身なのだ 。
彼はそんな私を理解し てくれている 。
だから 、始まりは いつも彼から 。
結局 、そこから話題を 広げられず 、
会話は一方通行 。
このままじゃ 、彼に 愛想を尽かされるかも しれない 。
思い切って 、話しかけてみた 。
「 あ 、○○ くんも 、服装 、似合ってる ね !」
僕は 、すれ違いざまに見た貴女に
一目惚れした 。
桜散る木の下で、静かに佇む貴女 。
まるで絵を見ているかのような気分だった 。
そのふっくらした 頬、真紅に染まった唇 、
風に煽られ、乱れた髪さえも愛おしくて
すべてが輝いて見える 。
魔法にかかったみたいに 。
嗚呼、これが 恋 というやつなのか 。