イルミネーションは大嫌いだ。
つい先日のクリスマスイブに、私は彼に別れを告げられた。
聖なる夜だというのに。彼氏と過ごすなんて豪語していた私の立場がないじゃない。
冬の夜、数多の光がうるさい程に視界に入る。こんな惨めな私を寄って集ってからかっているようだ。
大体、ただの光の集合だと言うのに、どうしてみんなは夢中になってるの?
なんて自分に言い訳して、一人でホールケーキを食べてる最中。
すると、スマホの通知音が鳴った。
誰からか連絡が来たのだろうか。
僅かな期待を抱きながら、画面を見てみる。
「お前、今日暇?」
そこに表示されてたのは、高校時代の彼氏からのメールだった。
何故今???
ここ数年、ちっとも連絡をしてこなかったくせに。
大方、相手も今夜を共に過ごす相手はいないのだろう。予想は出来た。
これで寂しさを紛らわせる。私は自身の心の隙間を埋めてほしい。その一心だった。
こんな不純な理由で返事をする私を許してほしい。
相手の住所が送られてき次第、私は急いで支度した。
12/14/2023, 10:44:55 AM