「うおすげー雨!!!」
大雨降ってること知ってすぐ走り出すなよ。
明日実力テストなのにな。
風邪ひいても知らねえからな。
…馬鹿は風邪ひかないか。
「なあー傘持ってっか?」
いや意味ないだろ。もうびちょびちょなんだから。
持ってはいるけど。
まさかコイツ俺の傘に一緒に入るつもりか?
「持ってる」
「いーれてっ」
「やだ」
「なんで!?ケチ!もう一緒にメシ行かねー!」
「ん」
「カ〇タか!!!ありがとなっ」
雨も降ってるし。
どっかの誰かさんのせいで俺まで濡れたし。
「借り1な」
【雨と君】
ぴら、ぴら
「…」
アイツが書き残してた日記。
「はは…んなこともあったなァ…」
そこには
オレとメシに行ったこと。
二人でツボったこと。
喧嘩した日にはオレの愚痴。
オレとアイツの毎日が雑に、でも何だか温かく記されていた。
ぴら、
「…あ」
まっさら。
ページをめくる前までは
あんなにも温かかったのに
「…そーだよな」
もう、この日記に新しいアイツの日常が刻まれることは当分ない。そもそもあるのかも分からない。
「アイツが目覚めた時に…このままだったら寂しいもんな」
アイツが目覚めるまでは
オレがこの日記に綴るよ。
お前が居ないから書くことが見つからないかもだけど
毎日、毎日、お前がオレのこと書いてくれてたみたいに
日記なんて書いたことねーけど
お前が起きた時に退屈しないように
笑って驚かせてやる
「だから早く目覚めろよな」
オレは今日もページをめくる。
「またね」
またね、またね…かぁぁぁぁぁぁ〜…
また俺と会ってくれんのかぁ〜…
へへ、やっぱりバイバイより嬉しいな
「おう!またな!」
【またね】
「なーあついー…どーにかしろよ〜…」
「暑いならひっつかなきゃいいのに」
「落ち着くんだよお前の背中」
「…」
…いやなんか言えよ!!!!!
この!?オレが!?デレてやったのに!?
ケッ!!!いいですよーだ!!
さっき自販で買ったやつ飲むし!!!べーーだ!!!!
「うぇ!ぬるっ!!」
っぱり暑すぎんだろ!!
ちょっとカバンの中入れとっただけなのに…
地球も燃えてんな〜…地球ってもしかして熱血か?
あーあ…最悪…ぬるいサイダーとか…
つーかさっきからコイツもずーーっと黙り込んでっし!
慰めの言葉一つくらいくれてもいーんじゃねーの!??
「なぁ…ってうぉ、おま、顔赤!?大丈夫かよ!?」
「…ひっついてくっから」
「んぁ!?そんな暑かったか!?わりぃ離れるわ」
「ん…」
オレの体温ってもしかしてすんげぇ高ぇのか…?
顔真っ赤だし…ネッチューショーとかになってねぇよな
…にしてもそんな顔赤くなるか…?
コイツは暑がりだったのか!
【ぬるい炭酸と無口な君】
「あっつ…」
嫌になるほど照りつく太陽に照らされたお前。
彫刻みてぇに整った顔。
額に張り付く綺麗な黒髪。
揺れる。風鈴みてぇに時に輝くピアス。
お前はずーっと綺麗だけど
俺は8月のお前が格段と好きだ。
【8月、君に会いたい】