僕は悪い奴ほど天国に行くべきだと思うんです。
僕を閉じ込めたあの人は極悪人です。閉じ込めた人全員を地獄に送りました。けれどあの人は、僕だけを天国に連れて行ってくれました。
あの人が天国に来ました。
僕はこれからあの人をここに閉じ込めようと思います。
僕は生きていない君の方が好きだった。
大きな瓶の中で何もできず、ただ丸まって浮いている君が好きだった。僕から見たその姿は男でも女でもないまるで神様のようだった。
でもある日教会の倉庫から君がいなくなっていた。僕は必死になって君を探した。
君は教会で1番大きなステンドグラスがある部屋で、教祖様の足元で虫のように蠢いていた。辺りには君を守っていた液体が飛び散っていた。
教祖様は僕に言った。此奴は神に化けた悪魔であると。
僕は神様に願う。どうか、此奴が、死にますように。
僕を主役にしてくれた彼奴はどこに行ったのだろうか。
教祖様の大事な花瓶を僕に投げつけて壊した彼奴。教祖様の怒りをかって牢屋に入れられ、処刑されてしまった可哀想な彼奴。
僕は彼奴を迎えに行かなくちゃ行けない。
彼奴は天使なんだ。僕に聖水をかけてくれたんだ。
村でいつも悪者扱いされている彼奴。
猫を殺して、宝石を盗んで、孤独で無知で愚かな彼奴。
けれど僕は見たんです。
乱れた髪に隠れたあの瞳。
僕は悪者があんな瞳をしているなんて思えません。
彼奴は良い奴ですよ。
僕の理想を守ってくれました。
私は飢えた子供も廃れた大人も、人間すら綴りたくなかったんです。
社会というものが嫌いです。何か知らないものに縛られているようで苦しいんです。
私はただ美しい物語だけを綴り、感じていたいんです。
私は深い森と教会を愛しています。
私は美しいものなら死体だって愛することができます。
私を拒んでください。貴方は世界なんです。