7/8/2025, 10:55:31 AM
例の今月中ごろから始まった仰向けに寝て起きたらうつ伏せになっている現象について、電話するほどのことじゃないだろと言われながら笑って話す向こうの声に混じって強くかすかに風の音がしている
『あの日の景色』
7/2/2025, 3:12:22 PM
認められた悲しみなんていらない、とあなた、さざ波に任せた身体はゆれる、光の中に差す暗い傘の、洞窟のような瞼を
『クリスタル』
6/30/2025, 1:39:40 PM
カモメが遠くを飛んで、クッキー缶の、中に入ったボタンをざらざらと見つめて、コップに触れたあとの頬の冷たさがうらやましい、パンケーキがうまく焼けて、バターがあればいいのになあなんて考えながら、風はやわらかい海の匂い
『カーテン』
6/28/2025, 2:35:22 PM
乳の海のような、あなたの歌声がきこえる、午後の洗い物をしている背中に、輪郭だけがひかって、青い広いつぶての集まりにいつも風が吹くように
『夏の気配』
6/20/2025, 5:51:25 AM
低い丸まった背中で平面に引いていく線の上を、透明にぼやけては離れていくような、水滴が、まだ満ちていた空白をもうすぐ崩してしまうような、小さな期待をまた指先に込めながら
『雨の香り、涙の跡』