12/1/2025, 4:12:41 PM
足のままにかき分けて行くほど重いスカートの裾なお重く湿ってはきらきらと靴の先まで満ち満ちてつめたい空気に胸の深くまで透き通る、肩がすくむ、鼻をすする息の白さがまた瞬く、道導になる
『凍てつく星空』
11/30/2025, 9:11:38 AM
外れたネックレスを飲み込んで舞う細かい雪のひかりで痛む喉、たぶん役に立たないよ、って笑うと、マッチだけ持って慌ててるきみの顔。それでいいからって思いながら笑う、いいから言ってよ、春になる前に早く。
『失われた響き』
11/29/2025, 8:00:54 AM
間抜けに眠る口に吸い込まれていった飛行機雲がゆっくりと薄青く溶けて消えてゆくのを見届けてから、あなたの毛布をかけ直す、ストーブを点ける。
『霜降る朝』
11/25/2025, 8:52:36 AM
見つけ出した時に楽しいからって忍ばせておいたものを思い出すたびに探してみてもいつも見つからないので、きっともう見つけ出してしまっているんだと思う、そう思いながら何度も夢に見るように、温かい心地だけが、またぼんやりと光る
『君が隠した鍵』
11/22/2025, 4:31:35 PM
夜を切り分けて引き連れた豊かなフレア星の瞬くような空気を纏って、泳いでゆく一瞥、過ぎ去ってから惑う霞むような匂いだけがあとに残っている
『紅の記憶』