10/17/2025, 3:41:31 AM
のんどりとした湿っぽい毛むくじゃらの白い大きないぬの、寝返りをうつような、足跡がそこらじゅう駆け回ってつかれたような、螺旋を見て座っているとき、きらきらと波がもうすぐつま先に届く
『消えた星図』
10/2/2025, 1:03:07 AM
蚊に食われた点々と繋いでも星座にもならない煙の中をゆっくりと雨の匂いが降ってくる
『秋の訪れ』
9/30/2025, 4:09:23 AM
腕を広げたとき、なにを考えているかわからなかったのは、距離が足りなかったのか、顔が見えなかったからなのか、朝が騒がしくやってくるときの光を胸に感じながら、飛び込むまでの数秒、気配、とか、温度、とか、まろむような時間をあなたは弾き飛ばしながら。
『モノクロ』
9/27/2025, 11:16:27 AM
つづく、で閉じた世界の、明るい夢を見たような顔で、抱きしめていたぬいぐるみを、寝ぼけて撫でる指の、小さな痛みを知らずにいつも背中に置いていた手を
『涙の理由』
9/12/2025, 11:31:23 AM
バスの停留所を通り過ぎるとき、待ち合いの赤い花の一つこぼれた赤いろが風通しの悪い道にてんと横になっているのを見る、雨がもうすぐ降る、腕時計を見る
『台風が過ぎ去って』