私から見ればなんとも小さな命か
十にも満たない幼子は
小さいながらに必死に追いかけてきて
お世話をするのだと声を上げる
棚の上のものを代わりに取ってやれば
頭巾で窺い知れないその顔は不機嫌そうだ
火で火傷をしないか
包丁で手を切りやしないかと
その小さな背を時折盗み見る
風呂を沸かしたから入れと言う
その声が眠気を孕んでいた
しかしこの子は意地っ張りな性格のようで
言われた通りに先に風呂に入る
湯から出れば案の定その子は船を漕いでいた
起こさないようにそっと抱き上げ
布団へと運ぶ
起きたらきっと文句を言うのだろうか
それとも拗ねるのだろうか
どちらにしても
この子との明日が楽しみだ
腕の中の小さな命
2024/02/25_小さな命
「もうすぐ一日が終わる」
眼前を燻りと過ぎる白を眺めながら、そう思う。
いつから、これが日課となったのか。
辞めていた煙草をまた吸うようになったのは、あの子が大人になったから。ああ、そうだ。それでも分煙にと、あの子が寝た後に、ベランダで一人で吸い始めたんだ。だから、この日課が始まってまだそんなに経っていない。それなのに、何故こうも感傷的になるのか。
一日一本と決めた煙草が終わる。
部屋に戻ろう。あの子がいる新しい一日へ。
明日も俺はまだあの子の親だ。
2024/02/18_今日にさよなら
いつでも手の届くところに起きたい
想いに秘めておきたい
記録を残しておきたい
愛でる方法は人それぞれだと思う
それでも共通しているのは
全て自分の中にあるということだ
2024/02/18_お気に入り
誰よりも側に居て欲しいと願う
誰よりも側に居たいと
共にありたいと
生まれた時は違えども
死ぬる時は同じと願う
誰よりも
2024/02/16
どんなに遠くても
どんなに時間がかかろうとも
必ず探し出してみせる
必ず 必ずだ
長命であるが故に与えられた時間は長く
長い故に欠けた時間が悠久のように感じる
時には歩みを止めたくなる
そんな時は、休めばいいさ。
休んだ後は、立ち上がって、また探すのだから。
2024/02/13_待ってて