いっちぃ

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6/10/2024, 12:16:21 PM

ナツキとフユト【7 やりたいこと】

フユトが貸した、パジャマ代わりのTシャツのままのナツキが歓声を上げた

「わー、さすがカフェをやりたいって言うだけあるね」

フユトが手早く作った朝食は、トーストとベーコンエッグとグリーンサラダだ

「別に普通だろ」

「でも、盛りつけ方がきれい」

食べ始めながら、フユトは聞く

「ナツキ、仕事は?」

「実は、今無職で…」

「それで追い出すなんて、お前の恋人もひどいな」

「だよね」

「仕事探さないとな。ナツキのやりたいことは?」

「フユトのカフェを手伝うこと、なんちって」

「おい…」

(つづく)

6/9/2024, 1:07:23 PM

ナツキとフユト【6 朝日の温もり】

「うわ…!」

フユトが、衝撃に驚いて目覚めると、胸の上にナツキの腕がのっている

結局、断りきれず、行き場がないというナツキを泊めたのだ

予備の布団などないので、一つのベッドで一緒に寝るしかなかった

もちろん、おかしなことは一切していないが

人の気も知らず、ナツキは無邪気な顔で眠りこけている

そっと腕をどかしてから、立って行ってカーテンを開けると、温かな朝日が差し込んできた

(つづく)

6/8/2024, 12:00:51 PM

ナツキとフユト【5 岐路】

フユトの、その初恋の相手とは誰なのかという質問に答えないまま、ナツキは言った

「そういうわけだから、少しの間、居候させてもらえないかな」

「そういうわけって…」

ナツキは、両手を合わせて言う

「スマホしか持って出られなくて、現金ないし、ほかに頼れる人いなくて」

「でも、見ての通りの狭いワンルームだぜ」

「住むところが決まったら、すぐに出て行くから」

「あてはあるのか?」

「ない」

「おい…」

ナツキが、切なげな顔をして言った

「お願い」

(つづく)

6/7/2024, 12:20:15 PM

ナツキとフユト【4 世界の終わりに君と】

いくら浮気がバレたとはいえ、着の身着のままで追い出されるとは

フユトはナツキに聞いた

「どういうことなんだ?」

「今日世界が終わるとしたら、誰と一緒にいたいかっていう話になってさ」

「当然、恋人だろ?」

「それが、つい本音を言っちゃって」

「え…」

「初恋の人って言ったら、めっちゃキレられて」

「そりゃそうだろ」

「でも浮気じゃないよ、今でも本気で好きだから」

「それって、俺の知ってる人?」

こくりとうなずくナツキ

(つづく)

6/6/2024, 12:41:41 PM

ナツキとフユト【3 最悪】

数年ぶりに連絡があって訪ねてきたナツキは、部屋着にサンダルばきだ

フユトが聞く

「何かあったのか?」

「それが、家を追い出されちゃって」

「実家か?」

「いや、恋人と同棲してた」

「理由は?」

「浮気」

「相手が?」

「いや…」

ナツキが、決まり悪そうに自分の顔を指す

「お前、最悪だな」

(つづく)

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