お題が二周目に入ったので、趣向を変えて連作短編のような形で書いてきました
このまま一年続けようと思ったんですが、なんだかワクワクしないので、「ナツキとフユト」はここまでにします
去年の5月にインストしてから毎日投稿し続けてきたので、連続投稿にこだわっていましたが、これからは書きたいときだけ書きます
ナツキとフユト【41 手を取り合って】
ナツキへ
俺の夢は、ずっとカフェを開くことだった
それは自分の居場所がほしかったからだ
でも今は、そこにもう一つ夢が加わった
愛する人にそばにいてほしい
愛する人と一緒にカフェをやりたいんだ
言うのが遅くなってごめん
その相手はナツキだよ
ナツキ、好きだ。愛している
戻って来てくれ
ナツキとフユト【40 優越感、劣等感】
フユトへ
ごめんね、またフユトに迷惑かけちゃったね
自分をしっかり持っていて、揺らがないフユトにずっと憧れていた
それに比べて、いつも周りに流されて自己主張できない自分が嫌だった
フユトは覚えているかな
高校の文化祭のときに、あれこれ仕事を押しつけられそうになって困っていたら、フユトが助けてくれたの
「ナツキにはナツキの仕事があるから、それはお前らがやれよ」って
ちっとも高圧的な言い方じゃないのに、毅然としているから、誰も何も言い返せなかったんだよ
あのときからずっと、フユトのことが大好きだよ
今も大好き
一緒に暮らせて、すごく楽しかったよ
だけど、フユトにはフユトの人生があるし、フユトの夢に途中から割り込むのはフェアじゃないよね
いつかフユトがカフェを開いたときは、必ずお客として行くからね
今までどうもありがとう
(つづく)
ナツキとフユト【39 これまでずっと】
フユトは猛然とメッセージを打ち込む
――いったいどうしたっていうんだ
俺はナツキとの生活、けっこう楽しんでいた
ナツキもそうなんだと思っていたけど、違ったのか?
それは俺のせいなのか?
だったら改めるから言ってくれ
せめて出て行った理由を教えてくれ
送信ボタンをタップすると、いつの間にか汗だくになっていた
(つづく)
ナツキとフユト【38 1件のLINE】
あたふたしながらフユトがスマホの電源を入れると、ナツキからメッセージが届いていた
――急に部屋を出てごめんね。ピーちゃんのこと、よろしくお願いします
「なんなんだよ!」
フユトは頭を掻きむしる
(つづく)