ナツキとフユト【40 優越感、劣等感】
フユトへ
ごめんね、またフユトに迷惑かけちゃったね
自分をしっかり持っていて、揺らがないフユトにずっと憧れていた
それに比べて、いつも周りに流されて自己主張できない自分が嫌だった
フユトは覚えているかな
高校の文化祭のときに、あれこれ仕事を押しつけられそうになって困っていたら、フユトが助けてくれたの
「ナツキにはナツキの仕事があるから、それはお前らがやれよ」って
ちっとも高圧的な言い方じゃないのに、毅然としているから、誰も何も言い返せなかったんだよ
あのときからずっと、フユトのことが大好きだよ
今も大好き
一緒に暮らせて、すごく楽しかったよ
だけど、フユトにはフユトの人生があるし、フユトの夢に途中から割り込むのはフェアじゃないよね
いつかフユトがカフェを開いたときは、必ずお客として行くからね
今までどうもありがとう
(つづく)
7/13/2024, 11:46:38 AM