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9/21/2023, 10:52:45 AM

「愁う」という言葉があるように、秋は物悲しい気持ちになりやすい季節だ。生命力に溢れた夏の景色から徐々に落ち着いた色彩に変わり、肌寒さを感じ始める時期。だんだんと色づいていく木々のように、また冬に備えて食料を蓄える野生動物のように、人間も「恋」の実を育みやすい季節なのかもしれない。
「秋恋」というお題から徒然なるままに「秋の恋」について書いてみたけれど、わたしは「秋が恋しい」と読みたいな。今年はまだまだ残暑が居座っているけど、道端のドングリや夜の虫の声に、確かに季節が歩を進めているのを感じる。冬が訪れる前に、もっと「秋、来い」と思う。

9/20/2023, 10:05:36 AM

大事にしたいものが多すぎて苦しくなることもあるけど、大人になってもこんな風に思えるものがあることは幸せだ。もう手放すつもりはないので、ずっと共に生きていくためにどのように向き合うか、自分自身の生き方を見直す時期に来たのかもしれないな。

9/19/2023, 12:17:50 PM

通学路を毎朝全力疾走していた中学時代。お陰様で持久走のタイムはあがったし好きな人にはフラれました。
大人になった今でも「お菓子買うのガマンするから今すぐ時間よ止まれ……!」と切実に願いながらダッシュしてしまうことが多々あります。我ながら嘆かわしい。
素敵な意味の「時間よ止まれ」もあったけど、それはもったいないからわたしだけの秘密。

9/18/2023, 11:06:37 AM

今年の夏、わたしにしては珍しく、展望台から夜景を眺めるという贅沢をした。
門司港への一人旅。この日は一日中レンタサイクルで走りまわって、あまりの暑さに冷房の効いた展望室に駆け込んだ。まだまだ日が長くて、夕暮れの気配も遠い、真夏の午後六時。
思ったよりも夕暮れまでの歩みが緩やかで、頼んだクリームソーダはとっくに飲み干してしまった。「夜景を眺めるまでは帰らない」、半ば意地になりながら港を眺める。
ほのかに色づいてくる空、徐々に伸びてゆく影、ポツリ、ポツリと灯っていく街のあかり。関門海峡に架かる大橋が、段々とその輪郭を人工的な光へと変化させる。
名残を惜しむように太陽からの光が空を濃紺に照らしながら、やがて夜が訪れた。
光で縁取られた港街の景色は、美しかった。あれは、人々が生きている灯りだ。対岸には下関の夜景が見える。さっきわたしが巡った道は、あの辺りだろうか。
少し振り向けば山が近い。街の中心から離れると、そこから先は途端に闇が広がる。レトロな建築で有名な門司港の駅、その線路の先も今はもう見通せない。都心の夜景とは異なるコントラストに、かえって人々の日常が感じられた。
いつの間にか展望室が混んできた。皆、きらきらと輝く夜景を目にして、口々に嬉しそうな声をあげている。
あの光のつぶがまばらなあたりが今日の宿だ。夜に溶け込むべく展望室を後にすると、生温い海風に迎えられた。
ああ、いい旅だ。

9/17/2023, 10:51:21 AM

母の故郷には広々とした古墳群があり、近年では観光資源として季節に合わせた花畑も整備されている。春は菜の花、夏はひまわり、秋はコスモス。特に春は一面の桜並木も色づき、古墳に生える芝の緑と菜の花の黄色と相まって、まるで桃源郷のようにのどかで美しい光景が広がる。……桃源郷はちょっと良く言いすぎたかもしれない。
でも古代の人々が眠る古墳の上で現代の子どもたちが草すべりをしている様子には、温暖なこの地の人々のおおらかさを感じられる。宮崎県西都市、まこちよかとこですので機会があればぜひ。

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