マオ

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3/16/2025, 11:16:24 AM

花の香りと共に

初めて出会った君。
桜の木の下、
幼さの残る顔ではにかんでいた。
桜の香りに包まれた君を見た瞬間、
時が止まったように感じたことを
つい最近のように覚えている。

君とお別れの時。
安らかな顔で微笑んでいた。
胡蝶蘭に包まれた君を観た瞬間、
君の死という偶像が唐突に形を帯びた。
それからのことはあまり覚えていない。


あの日の君は、
あの日のまま、
桜の花の香りと共にいつまでも。

3/15/2025, 10:57:53 AM

心のざわめき

心がざわめく。
嫌な予感が、胸騒ぎが、する。
誰かの悲鳴。何かのサイレン。
何のサイレンかなんてわかりきっている。
でも、受け入れることなどできなかった。
振り向く。
血が。血塗れの、君が。
君の赤が灰色のアスファルトに解ける。
なんで。なんで私を庇った?
私は君さえいればよかったのに?
ふざけんな。

私は君を許さない。
私を1人にした君を。
最期の時、笑っていた君を。
そんな顔されたら、怒れない。
そんな顔されたら、消えれない。
こんな世界なら…
何度思っただろう。
でも私は君のいない今日を生きる。
いつか君に笑顔で迎えてもらうために。

3/14/2025, 11:05:53 AM

君を探して

ねぇ、君は今どこにいるの?
いるはずもない、いつも通りの白いホーム。
人混みの中に君の影を探す。
真白いホームが、なぜだか灰色に見えた。
君はここにはいない。
けれど僕は惰性的に毎日を過ごす。
君がいなくても、時は僕を置いていってくれない。
当たり前にご飯食べて、当たり前に仕事する。
それだけのことが、君がいないだけでこんなにも。

帰り道。
ふと空を見上げると星の光が降り注いでいた。
新月で、星がよく見える夜だった。
君も、この空を見上げているのかな。
同じ空の下、僕らは…。

3/13/2025, 10:27:19 AM

透明

いつも明るくて、
赤やオレンジを纏っていた君。
君の横に並ぶことのできない僕は、
くすんだ、深緑という色といったところ。
それも、何色なのかはっきりしないような。

いつも明るくて、
赤やオレンジを纏っていた君。
いつも僕の憧れの的だった。
熱いくらいの憧憬の中、生きていた。

その君は、もう目を覚ますことはない。
そう告げられた時、僕は何を思っただろう。
白い衝撃のあまり、何も覚えていないや。
ピクリとも動かない白く染まった君は、
透明に見えた。
僕の心まで、透けていきそうなほどに。

3/12/2025, 10:32:49 AM

終わり、また始まる

おめでとう
お世話になった、大好きな大好きな3年生。
でも、彼らがいつもの笑顔で
登校してくることは、もう、ない。
ありがとう。
これからは、私たちが。

おめでとう
緊張した面持ちの、これから関わる新1年生。
でも、去年は私たちが硬い表情で
ここに初めて足を踏み入れたのだと、
感慨深く感じる。
私たちの次は、彼らが。

繰り返し、次は私たちが。
その次は彼らが。
そのまた次も…。
終わり、また始まる。

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