マオ

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3/15/2025, 10:57:53 AM

心のざわめき

心がざわめく。
嫌な予感が、胸騒ぎが、する。
誰かの悲鳴。何かのサイレン。
何のサイレンかなんてわかりきっている。
でも、受け入れることなどできなかった。
振り向く。
血が。血塗れの、君が。
君の赤が灰色のアスファルトに解ける。
なんで。なんで私を庇った?
私は君さえいればよかったのに?
ふざけんな。

私は君を許さない。
私を1人にした君を。
最期の時、笑っていた君を。
そんな顔されたら、怒れない。
そんな顔されたら、消えれない。
こんな世界なら…
何度思っただろう。
でも私は君のいない今日を生きる。
いつか君に笑顔で迎えてもらうために。

3/14/2025, 11:05:53 AM

君を探して

ねぇ、君は今どこにいるの?
いるはずもない、いつも通りの白いホーム。
人混みの中に君の影を探す。
真白いホームが、なぜだか灰色に見えた。
君はここにはいない。
けれど僕は惰性的に毎日を過ごす。
君がいなくても、時は僕を置いていってくれない。
当たり前にご飯食べて、当たり前に仕事する。
それだけのことが、君がいないだけでこんなにも。

帰り道。
ふと空を見上げると星の光が降り注いでいた。
新月で、星がよく見える夜だった。
君も、この空を見上げているのかな。
同じ空の下、僕らは…。

3/13/2025, 10:27:19 AM

透明

いつも明るくて、
赤やオレンジを纏っていた君。
君の横に並ぶことのできない僕は、
くすんだ、深緑という色といったところ。
それも、何色なのかはっきりしないような。

いつも明るくて、
赤やオレンジを纏っていた君。
いつも僕の憧れの的だった。
熱いくらいの憧憬の中、生きていた。

その君は、もう目を覚ますことはない。
そう告げられた時、僕は何を思っただろう。
白い衝撃のあまり、何も覚えていないや。
ピクリとも動かない白く染まった君は、
透明に見えた。
僕の心まで、透けていきそうなほどに。

3/12/2025, 10:32:49 AM

終わり、また始まる

おめでとう
お世話になった、大好きな大好きな3年生。
でも、彼らがいつもの笑顔で
登校してくることは、もう、ない。
ありがとう。
これからは、私たちが。

おめでとう
緊張した面持ちの、これから関わる新1年生。
でも、去年は私たちが硬い表情で
ここに初めて足を踏み入れたのだと、
感慨深く感じる。
私たちの次は、彼らが。

繰り返し、次は私たちが。
その次は彼らが。
そのまた次も…。
終わり、また始まる。

3/11/2025, 11:11:58 AM



星に手を伸ばしてみる。
見上げればそこにふたつの小さな手。
透き通るほど深い藍の中に瞬く無数の星。
涙の跡が残る僕に君は言った。
「あのね、もう会えなくなっちゃった人たちはね。」
"お星様になって見守ってるんだ"
だから星はきれいなんだよ。
だれかを大切に想う気持ちが星になってるから。
君はもう片方の手を
僕の背に置こうとして、やめた。

透き通るほど深い藍に、
ただひとりの君が透けていく。
"だから、ずっと見守ってるから、平気だよ"
君の声が、聞こえた気がした。
もう触れることも、
話すことも、
笑い合うこともできない、
君の、声が。
僕の透明な青い涙と共に解ける。
もう、もどらない。

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