Rei

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8/12/2024, 1:21:02 PM

[音に愛されたい]
君が奏でる音楽は温かくてどこか冷たくて儚い。
ずっと君だけの音に溺れていたい。
繊細な音が響く。
語りかけるような声が好きだ。
まるで君が横にいて、慰めてくれてるみたいだ。
ピアノの調べはどこまでも海みたいに美しい。
近くて遠い君。画面越しでもちゃんと伝わってるよ。
いつまでも君の奏でる音に魅了される。
この声はきっと届かないけど、
「推しとファンという関係でも君の音楽を心から愛してるよ」
だから、あなたがマイクを置くそのときまで、傍で応援させてください。

8/11/2024, 10:46:53 AM

[あの夏]

少女が置いていった麦わら帽子をくるりと回す。
彼女の軽い足取りが聞こえる。
無邪気に笑う。
白いワンピースをきた少女はひまわりを抱えて笑う。
幻覚のように。呪いのように。悪夢のように。
反芻する。
私を苛んでいる。
彼女が残した夏はまだ、終わらない。

8/3/2024, 1:11:17 AM

[白い狭い箱庭で]

傷が痛む。痛い。また、私は失敗したのか。
この白い狭い監獄のよえな箱庭から決して逃げ出せない。
消毒の匂い。走り回る足音。心音を知らせる機械。
きっと、何年も何十年も続くだろう。
命という灯火が尽きるまで延命を重ねる。
終わらしてほしいのに。
私も貴方と一緒に終わりたかったのに。
麻酔の香りが鼻を刺した。
また、深い眠りに沈む。

8/1/2024, 10:11:05 AM

[明日は雨だから]
もし、明日晴れたら。何回も願った。
明日は、桜が綺麗に咲くから付き合ったばかりの彼氏とお花見に行く予定だった。
今日はこんなに綺麗な満月が見えるのに。
大体晴れて欲しいときに晴れずに、前日や後日に晴れたりするのが天気の憎らしい所だ。
適当にスマホをいじってたら通知音が部屋に響く。
送り主を見ると彼氏からだ。なんだろう?
明日、雨だからデートは辞めようみたいな…?
恐る恐るひらくと予想とは真逆で私さえ良ければ室内デートにしようという誘いだった。
「雨も悪くないかも…」

7/31/2024, 10:35:42 PM

[近寄らんとって、 ]

「一人にしてくれへん?」そういったボクの声は震えていた。
あなたは怒っていた。なんで、そんな不安定な君の傍にいさせてくれんの?って。
いい友達を持ったなぁ。でも「…近寄らんとってくれる?一人でいたいねん」ごめんな。
自分勝手で。
…でも、エゴかも知れんけど君をこれ以上汚れさせたくないんだ、ボクと居て。

学校でも一人で音楽を聴いたり、小説をひらく。
ボクに話しかける人は君以外いなかったら、また一人に戻った。
それだけ。
大丈夫なはずなのに心が鋭く鈍く痛かった。
帰り道、空は晴れているはずなのに自分の手にはポタポタと雫がたくさん降っていた。

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