6/26/2024, 10:23:11 AM
「君と最後に会った日」
だってさ。
なんか、不思議じゃない?「その日」が来るのをわかってるのに、いざこうやって聞かれないと、なーんも、考えてないってさ。
「それってさ、いつまでも終わらないって、わかってるからじゃない?」
うん。そうだよ。でもさ。
ここに置かれた花束が、もしかしたら、君だったら、なんて。いつも思ってたんだよ。
でもね、さっき、おもしろいことに気付いたの。
君が、この下に眠っていて、ここに花束がある。まるで、君がここにいるかのように。
でもね。花束は君にはなれないんだよ。だからさ、僕は、永遠に、ここにいたいと思うの。
…来るといいね。「君と最後に会う日」が。
6/26/2024, 9:06:04 AM
「繊細な花」
しんしんと降る雪の中、道端にただ一輪だけ咲く花は、そんな名前がつけられています。
その花を一目見れば、あまりの美しさに、写真に収めたくなってしまうほどです。
そうそう、この花には、面白い伝説があるのです。
真っ白く、雪が踊る中、ふと足元をみると、まるで誰かを待つ幽霊のように、何気なく、そこにいる。
それはまるで氷のようで、優しく、冷たく、愛おしい。彼女は誰かを待っている。ずっと。
死んでも死んでも死にきれない思いを、たった少し風が吹いたら、せわしく揺れてしまう体に込めて。
私もよくわかりませんが、花に心があるのなら、花もまた、私たちと同じ、死にゆく旅人なのかな、と少しばかり感じるのです。