日々好日

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7/26/2025, 12:59:41 PM

涙の跡…………


猛暑の中、何処からやって来たのか?

炎天下の庭から我が家の玄関に子猫が
みゃ〜みゃ〜鳴きながら私の足元に
すり寄って来た。
一瞬戸惑ったけど子猫を抱き上げ保護した。
まず病院に行かねば、とりあえず、水とご飯、ベッド、
子猫に必要な物を準備しながら、この子を
どうしよう……と迷いが浮かぶ。
我が家には既に3匹いるので飼えないと思った。
7月6日保護なので翌日七夕にちなみ彦星くんと
仮の名前を付けた。

早速、何人かの友人知人に里親さん探しを
お願いした。
1人がフェイスブックに里親募集を載せてくれた。
偶然、情報を見つけた方が里親候補に立候補して
くれた。
話しはトントン拍子に進み、我が家でまず
子猫と面会して頂いた。
柔らかな笑顔が素敵な40代くらいの女性。
2月に19歳の飼い猫を亡くし、家族が皆寂しくて
子猫を飼いたくて、あちこちSNSで情報を見ていたとの
こと。
彦星くんを気に言って頂き、お迎えが決定した。
里親さんの都合もあり2週間ほど我が家でお世話して
正式譲渡となった。

小さな彦星くんは、とにかくやんちゃで甘えん坊。
我が家の大人猫3匹に遊んでほしくてじゃれながら
追いかけて 3匹は逃げて回るという行動に出た。
どの猫も小さな赤ちゃん猫に危害を加えない。

我が家のボス猫レイくん、右前足がない
障害のあるこはるくん、神経質でシャイなメス猫の
こなつちゃん、この3匹は、生まれて初めて
推定2ヶ月の子猫を見たのだ。

小さなやんちゃ坊主に振り回されてこなつは、2階の
部屋に逃げて降りて来なくなった。
3日目、ようやく一階に降りて来て
彦星と一緒にご飯を食べてくれた。

こはるは、彦星くん何度もタックルをかけられ
抱きつかれたが抵抗せず不思議と子猫を受け入れていた。

ボス猫レイくんは、彦星が寝ていると側に来て寝姿を
見守りキャットフード食べていても横取りしない。
小さな彦星を守っているみたいに見えた。

猫も縄張りがあり、我が家は1つのテリトリーで
彦星は、この場所に居ることを3匹に受け入れて
もらえたのだと思う。

2週間後、里親さんが息子さん娘さんと3人で
お迎えに来てくれた。
子猫と初対面の2人は彦星を可愛いと目を細めながら
ずっとおもちゃで遊んでくれた。
持参したゲージに彦星を入れ蓋を閉めたら
彦星が不安そうな声でみゃ〜みゃ〜鳴いた。

その声を聞きつけたレイが駆け寄る。
ケージ越しに覗くレイ。
こはるが部屋の隅っこでじっと見ていて
こなつは玄関の棚にじっとしていた。
彦星くんとのお別れを感じていたのだ。

里親さんのお母さんがレイくんに涙が出ますと
目頭を押さえた。

そんな3匹の切ない姿を見ながら里親さんご家族が
彦星を連れて帰った。

彦星が去った部屋は、同じなのに妙に広く
感じた。

翌日、レイがいつものようにキャットフードもらいたくて
夫の足元に擦り寄って来た。

フードをあげても食べず夫を見上げみゃ~と鳴いた。

猫語があるなら、彦星を何処に隠したの?と言ってるようだなと夫が話す。

こはるは、彦星がずっと居たリビングに1日中寝ていた。
普段はとなりの座敷に居ることが多いのに。
彦星が現れるのを待ってるみたいに……

こなつは一緒にご飯を食べていた彦星がいないので
何度も振り返る仕草をしていた。

猫は涙は流さない。
でも寂しいという気持ちはあるのだ。

それぞれの心の中に涙の跡を隠している。

この猛暑の夏、小さい子猫が疾風のように
我が家の3匹の心の中を駆け抜けて行った。

彦星ロス……猫たちだけでなく私も夫も同じに
ロスがしばらく続きそうだ。







1/15/2025, 11:53:12 AM

あなたのもとへ


おかあさん今度お墓参り行きます。
あなたが亡くなって3年。
私は命日に行ったことが無かったから。

今年三回忌終わったら墓仕舞いします。

お墓を継ぐべき私も嫁ぎ跡取りのいない今、
おかあさんとお父さんのお墓は無縁墓に
なってしまうから。

おかあさんといつも意見が合わず
私はあなたに反抗ばかりだった。
あなたも頑固で私を勘当同然の扱いした。
あなたに優しい言葉をかけてもらったことも
抱きしめてもらった記憶もない。
私も頑固だけどあなたはさらに傲慢できつかった。

だからもう近づくまいと思っていたのに
あなたのお気に入りだった次女は亡くなり
あなたの溺愛した孫も去った。

残った大嫌いな娘の私しかいなかったね。
そんな私に頼らざるえない状況。

あなたの最後を看取りあなたの残した様々な
事後処理も私だった。
最後まで私に感謝の言葉は無かったけど
産んてくれてありがとう。
あなたの死の瞬間私の口から出た言葉。
あなたにありがとうと言えて良かった。

三回忌の前に一度私1人であなたのもとへ
手を合わせに行きます。

長女らしいことできなかったけど
あなたの眠る場所に行ってみます。
娘として最後の勤めと思って。

11/20/2024, 10:19:59 AM

「宝物」

かけがえのない家族。
大切な私の宝物。
辛い時支えてくれて
家族から楽しい時間を
たくさんもらった。
泣いたり笑ったり。

忘れられない宝物の日々。

11/12/2024, 4:05:46 PM

「スリル」

学生時代、鍋パーティーすることになり
食材を買いに仲間と街に出かけた。 
野菜、菓子、酒、必要な物を買い物カゴに入れてると
仲間の1人が肉は俺にまかせてと言った。

あいつは肉のパックを自分のエコバッグにささっと入れて、ゆうゆうとスーパーの出口から外に出で行く。
万引きしたのだ。
仲間も皆あぜんとしていた。
もちろん俺も。
だけど誰もあいつに注意しない。

大学の寮で皆で集まり簡易のガスコンロに鍋を乗せ
食材を入れて鍋をつつく仲間達。
何事もなかったかのように皆あいつの戦利品
肉を鍋に入れて平らげている。
歓談し笑いながら。
誰も万引きに触れない。
俺も皆と笑う。
心の奥にバレなかったからよかったという
安堵感と罪悪感がちろちろと小さな暖炉の火のように
灯るのに。
あいつの犯罪に何故俺が罪悪感持たなければいけないのかという怒りもあるのに。

なにも悪くないように自然と盗みを働く姿、
盗人なのにけろりとしていて
なのに見ている俺はスリルでハラハラしていた。

仲間たちもあいつの犯罪をみて見ぬふりしながら
ハラハラとスリルを感じていたのだろうか。

罪とは、当人も止めなかったまわりも含まれる。

遠い昔の嫌なスリル体験だった。





10/6/2024, 6:13:33 PM

過ぎた日を想う



父、母、妹、みんな虹の橋渡っちゃったから
家族で過ごせた時間をいつも思い出す。

楽しいばかりの思い出は少ない。
まじめな母は、ユーモアが少ない人優しさがない。
ユーモアたっぷりの父に救われていた。
妹も暗い性格で相性が悪く苦手だった。

それでも家族。
毎日、一緒にご飯食べて一緒に夜TVを見てた。

いつも一緒に居るのが家族。

一緒にもう居られないと思ったら
さみしくて、少し胸の奥がキュ~ってなったよ。

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