みりん

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2/8/2023, 6:40:35 AM



私の頭は図書館。
沢山の情報が詰まってる。

でもどこを探しても自分のことは書いてないんだ。

昨日の晩御飯はカレーだったとか、
明日のテストはどの教科だとか、

そういうことの、本しかない。

きっと書けないんだ。
自分じゃ自分を。

「どこにも書けないこと」



ねえ、ご飯しっかり食べてる?
ちゃんと寝ないと明日仕事行けないよ!

私はあなたに伝えたい。

ごみ捨て行ってくれたの?ありがとう!
ごめん…それ忘れてたわ…ほんとごめん…

私はあなたに伝えたい。

でももうできないんだ。
ごめんね、帰ってこれなくて。
もう、伝えられないんだ。
私は、どこにも、書けないんだ。

「どこにも書けないこと」

2/6/2023, 10:14:38 AM



私の小さな坊やが、時計の針を折りました。
幸いけがはありません。

次に私の興味を引いたのはその理由です。
どうして折ったの、教えてちょうだい。

小さな坊やはもじもじ、動きます。
いったいどうしてしまったの。

遂に口を開きます。
「ママが時計を見たら帰っちゃうから」

私は申し訳ない気持ちになりました。
いつから、私は、
そんなに時間を気にするようになってしまったの。

「今度一緒に新しい時計を買いに行きましょうね」
私は怒りません。

そして、携帯で時間を確認し、私は出かけます。

「時計の針」



私は動く。一定で。
誰にそうしろと言われた訳ではない。

私は動く。休みなく。
休みたい時などありはしない。

私は動く。そうすれば、
誰かが喜ぶに違いない。

しかし一体誰のため?
私はどうして動いているのでしょう。

答えのない問は、時間の流れと共に、
音となってこだまする。

それが私の仕事だから。

「時計の針」

2/5/2023, 12:56:48 PM



可視化されているようなそれは、
私の周りを這い、流れた。

昨日からのような気もすれば、
数年前からのような気もする。

私はそれがなにかよくわからないし、
全て知っている。

言葉に出来ないというのは錯覚である。
目も耳も何もかも、騙されている。

私を突き動かすこれは、
私の周りを這い、流れるこれは。

「溢れる気持ち」



ここから1歩も動けない。

ひとつも取りこぼしたくはない。
これは全て私のものである。

声に出してはならない。
これは全て私の責任である。

誰にも知られてはならない。
これは全て私の気持ちである。

いかにもな、私の溢れる気持ちである。

「溢れる気持ち」



好きだった。
溢れるほど、この気持ちは全て露呈していた。

きっと伝わっていたはずだ。
そこまでに問題はない。

そこからが問題だった。
こぞって皆が私の気持ちを助長した。

表面張力には限界がある。
私の気持ちが溢れるのは時間の問題だった。

元の気持ちは今は雨にでもなっているだろう。
今は、溢れるほどの気持ちは、ない。

「溢れる気持ち」