①
私の小さな坊やが、時計の針を折りました。
幸いけがはありません。
次に私の興味を引いたのはその理由です。
どうして折ったの、教えてちょうだい。
小さな坊やはもじもじ、動きます。
いったいどうしてしまったの。
遂に口を開きます。
「ママが時計を見たら帰っちゃうから」
私は申し訳ない気持ちになりました。
いつから、私は、
そんなに時間を気にするようになってしまったの。
「今度一緒に新しい時計を買いに行きましょうね」
私は怒りません。
そして、携帯で時間を確認し、私は出かけます。
「時計の針」
②
私は動く。一定で。
誰にそうしろと言われた訳ではない。
私は動く。休みなく。
休みたい時などありはしない。
私は動く。そうすれば、
誰かが喜ぶに違いない。
しかし一体誰のため?
私はどうして動いているのでしょう。
答えのない問は、時間の流れと共に、
音となってこだまする。
それが私の仕事だから。
「時計の針」
2/6/2023, 10:14:38 AM