みりん

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私の小さな坊やが、時計の針を折りました。
幸いけがはありません。

次に私の興味を引いたのはその理由です。
どうして折ったの、教えてちょうだい。

小さな坊やはもじもじ、動きます。
いったいどうしてしまったの。

遂に口を開きます。
「ママが時計を見たら帰っちゃうから」

私は申し訳ない気持ちになりました。
いつから、私は、
そんなに時間を気にするようになってしまったの。

「今度一緒に新しい時計を買いに行きましょうね」
私は怒りません。

そして、携帯で時間を確認し、私は出かけます。

「時計の針」



私は動く。一定で。
誰にそうしろと言われた訳ではない。

私は動く。休みなく。
休みたい時などありはしない。

私は動く。そうすれば、
誰かが喜ぶに違いない。

しかし一体誰のため?
私はどうして動いているのでしょう。

答えのない問は、時間の流れと共に、
音となってこだまする。

それが私の仕事だから。

「時計の針」

2/6/2023, 10:14:38 AM