Namimamo

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6/21/2025, 10:56:35 AM

君の背中を追って走ったら
夏にたどり着いた

君の声がして振り向いたら
秋の香りがした

君のにおいの残る場所には
冬の景色だった

君の思い出を探して見つけた先は
春が広がっていた

6/20/2025, 11:13:12 AM

「花占いをしよう」

「いいね」

「好き、嫌い、好き、嫌い、
好きではないけど嫌いでもない、
嫌いじゃないけど好きでもない、
興味ない、
好きとかそういうレベルではない、
嫌い以前の問題、
好き過ぎて逆に嫌い、
嫌い過ぎて気になるから逆に好き説、
好きという言葉に収めるには感情が重すぎて無理、
好きと言うにはあまりに歪んだ欲望が」

「待って怖いどれに当たっても怖い」

6/19/2025, 12:30:56 PM

雨の香り、涙の跡


「雨の香りがする」
薄曇りの空の下、彼女はそう言った。
「雨に香りなんてある?」
そう言う僕に
「都会の人間にはわからないよねえ、ふふふ」
と笑うその顔は得意げで、しかし彼女がそう言った少し後には毎回必ず雨が降るのだ。

ポツポツとまばらに落ち始めた雨は次第に雫の数を増やして、気づけばけぶるように辺りを覆う。

「田舎の人ってみんな雨のにおいがわかるの?」
「うーん、君も2年くらい住んでみたらわかるようになるかもね?」
「じゃあ……住んでみようかな」
「え?」
「結婚する?君の田舎に住むよ」
「えっ」

まるで思いつきのようなプロポーズは、実はずっと前からタイミングをうかがっていたのだけれど、今ここで言うのは自分でも予想外の展開だった。

彼女は笑った。
「田舎の暮らしに耐えられるかな?」
僕も笑った。
「慣れてみせるよ。雨の香りがわかるようになるまで」

彼女の頬を伝う雨の筋が、涙の跡のように見えた。
随分と後になってから聞いた。
あれは本当に泣いていたのだと。

「雨の香りがするね」
と僕は言う。
「君もすっかりわかるようになったねえ」
と彼女が笑う。

今日の空も、あの日のような薄曇りだ。あと少ししたら、きっと雨が降るだろう。

6/18/2025, 11:40:36 AM



もしも運命の赤い糸が見えたら
ビビってハサミで切っちゃうタイプ

6/17/2025, 12:57:11 PM

宛先不明の住所
もう使えないメールアドレス
SNSの消されたアカウント
この世にいない貴方の写真

届かないのに手紙を、メールを、メッセージを送りたい衝動に駆られることがある

それは

届かなくても、まだ送りたい言葉があるから

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