未来への船
泥舟でも
笹舟でも
豪華客船でも
否応無しに船は進んでいく
未来という未知の大陸へと向かっていく
静かなる森へ
日本ではほぼ森イコール山になると思うので、少し外れるが山の話をしよう。
ド田舎の夜の山を見たことがあるだろうか。
人の手が入ったキャンプ場などではない、何もないただの山。田舎民で山は近くにあるが、そこそこ民家のある山しか知らなかった私は本当に何もない山を見た時にびっくりした。
そこは足がすくむ程に真っ暗で深い深い黒に塗りつぶされており、ああこれが昔の人が妖怪や物の怪を見いだした闇なのだな、と納得するくらいの恐ろしさを内包している。
山そのものが畏怖すべき巨大な怪物のようだ。
そして夜の山は驚くほど静か、ではない。むしろ、その音量にびっくりするくらい虫の音がオーケストラの如く鳴り響いている。この山一つに一体何匹の虫が住み着いているのだろう?数えたくはない。
更に虫の声とは違う、何か…唸るような、鳴き声とも言い切れない何かに、風に木の葉が擦れるざわめきは静かとはほど遠いものだ。
静かなる森へ心を休めに行こう、と思っている人、夜の山はおすすめしない。
夢を描け
未来を語れ
自分を見つめろ
将来をイメージしろ
大事かもしれないけど、そういうのなーんも考えずに今を楽しく生きていけたらいいよね
届かない……店とか駅のトイレの荷物かけるフック、たまに届かない……
届かない……ユニクロの棚の上段のハンガー、全然届かない……
届かない……ひょんなことから私のことを支援したいと思った石油王からの五億円が、まだ届かない……
生まれ育った家は林の隣に建っていたので、自分の部屋の東側の窓の外には大きな木々がたっぷりと生い茂っていた。
休みの日の午前中、ベッドに寝転んで窓の方に目をやれば、木漏れ日がキラキラと差し込んで、木々が風に揺れる度に少し緑がかった光が踊っている。
それはいかにも天然のサンキャッチャーのようで、いつまでもいつまでも眺めていることができた。
木漏れ日を浴びながら風に揺れるカーテンをつかまえて遊んでいるうちにいつの間にか二度寝をしたりして、時間が2倍程ゆっくりと流れているようなあの時間を私は確かに愛していた。
とてもとても、愛していた。