教室で独り、泣いている君の目を見つめてみた。
「目は口ほどに物を言う」というくらいなのだから、何かわかるんじゃないかと思って。
結果、全然わからない。
むしろ、ブラックホールみたいですごく怖かった。
それ以来、人の目を見ることが怖くて仕方ない。
星空の下で
「俺がどんな顔をしてるか、わかるか」
いつもいかつい顔をしている親友が背中越しに言う言葉は、怒っているように聞こえた。
「わかるか」
俺は軽くそう返す。
もともとコイツは、そういう奴だ。
相手が自分をどう思っているかを訊くことで、相手の目を通して自分を見る。
なんでそんなことをするのか尋ねたことがあるが、詳しいことは忘れた。ただ、回りくどいという感想だけが残っている。
「わかるわけねえよ。転校するから、寂しいんだろうなとは思うけど」
星空の下、親友の歪んだ顔が振り返る。
「俺だって、お前とずーっと一緒に、バカやってたかったよ」
「わかってんじゃねえか」
星空の下、年の節目には連絡を取り合おうと誓い合うのだった。
それでいい。
僕がそう言うと、彼女は不快という色を隠さずに自分で描いた絵と僕を見た。
何がいけないのだろう。
期限は設けていない、ただの口約束だった。
ただ、側にいて作品ができあがっていくのが見たかったのだ。
だから、彼女の求めるものがどこにあるかなど、僕には興味がなかった。
彼女は完璧な作品を作りたかったらしいが、僕が求めていたのはその過程だ。
彼女の求めるものに対する真剣さ、足掻き、一部に対する満足な表情。手や目線の動き。すべてがそれ「で」いいのだ。
そのすべてのまま、君よ。
変わらないで。
〝1つだけ〟を持つ化け物がいた。
化け物はなんでも1つだけを欲しがり、ねぐらに大事にしまっている。
それは下駄や箸のかたっぽだったり、何かの部品の一部を〝1つだけ〟だったり。
そのくせ飽きっぽいので、たまに通りかかった人間にあげてしまう。
突然「あげる」とガラクタを渡されても、簡単にもらってはいけない。
親しくなったと思っても、化け物は化け物なのだ。
物を受け取ったと思ったら、すぐに逃げろ。
「代わりに、ちょうだい。〝1つだけ〟」
その声を背で聞き、遠くまで逃げろ。
あなたの体の中身が〝1つだけ〟、取られてしまうから。
上から下へ、まっかさかさま。
赤い海に、群がる野次馬。
多くがバッドエンドだと評価しても、
これが私のハッピーエンド。