Yugi

Open App
4/5/2024, 2:26:36 AM

それでいい。
僕がそう言うと、彼女は不快という色を隠さずに自分で描いた絵と僕を見た。

何がいけないのだろう。
期限は設けていない、ただの口約束だった。
ただ、側にいて作品ができあがっていくのが見たかったのだ。
だから、彼女の求めるものがどこにあるかなど、僕には興味がなかった。

彼女は完璧な作品を作りたかったらしいが、僕が求めていたのはその過程だ。

彼女の求めるものに対する真剣さ、足掻き、一部に対する満足な表情。手や目線の動き。すべてがそれ「で」いいのだ。

そのすべてのまま、君よ。
変わらないで。

4/3/2024, 10:36:33 AM

〝1つだけ〟を持つ化け物がいた。
化け物はなんでも1つだけを欲しがり、ねぐらに大事にしまっている。
それは下駄や箸のかたっぽだったり、何かの部品の一部を〝1つだけ〟だったり。
そのくせ飽きっぽいので、たまに通りかかった人間にあげてしまう。

突然「あげる」とガラクタを渡されても、簡単にもらってはいけない。
親しくなったと思っても、化け物は化け物なのだ。
物を受け取ったと思ったら、すぐに逃げろ。
「代わりに、ちょうだい。〝1つだけ〟」
その声を背で聞き、遠くまで逃げろ。

あなたの体の中身が〝1つだけ〟、取られてしまうから。

3/29/2024, 10:38:39 AM

上から下へ、まっかさかさま。
赤い海に、群がる野次馬。

多くがバッドエンドだと評価しても、
これが私のハッピーエンド。

3/28/2024, 12:47:52 PM

ヒヨコだ。
テーブルの上ににヒヨコがいる。
どこから入ったのだろうか。
いつ入り込んだのだろう。
こういう場合、どこに報告すればいいのだろうか?

警察…気づいたらいた。信じてもらえない。
保健所…連れて行ってくれるかもしれないが、その後を考えると、スマホに手が伸びない。

私の思いも知らず、ヒヨコはテーブルの上をちょこちょこぴよぴよと走り回る。
じっと見ているのに気づいたヒヨコはこっちをじっと見ると、淹れたてのコーヒーのカップの裏に隠れた。
湯気の向こうから、声が聞こえる。

「そんなに見つめられると…照れる…ピヨ」

喋った!!!!!

3/26/2024, 10:42:51 AM

「私は料理ができる!」
「僕は料理はできないけど、洗濯ができる!」
「私は洗濯ができないけど、掃除ができる!」
「僕は掃除ができないけど、家の中で働いているから、子供の送り迎えがしやすい!」

「お互い…」
「羨ましいよね」

「いいなあぁ〜…!」

Next