John Doe

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1/23/2024, 1:06:04 AM

100年後、この世界はどうなっているのだろうか。
そろそろ空飛ぶ車が出来ている頃か?21世紀には出来ているはずだ!なんて言っていたのに車は未だに地に足をつけて走っている。22世紀まで後100年も無いからまだ車は飛ばないのかもしれないな。お前なら知ってるんじゃないか?

そんなに気になることかな?22世紀にはもう死んでいるから早く知りたいって?全く君ってやつは…しょうがないなぁ!じゃあ1回だけだよ?あんまりコレを使うと僕が怒られちゃうんだけど…まあ何とかしてみせるさ。他でもない君の頼みだもの!…でも本当に今回だけの特別サービスなんだからね?
それじゃあ準備をするから少し待ってておくれ!

ああそう、ひとつ言い忘れていたんだけど、未来に行ったとして君が過去の人間だってことはバレないようにするんだよ?約束できる?…なあに、服の事を聞かれたら「古着が好きなんだ」とか「レトロな物に目がなくて」とか言えばいいんだよ。あとはそうだな…「歴史が好き」なんてのもいいかもしれないね。

それじゃあ。また、会おうね。

#タイムマシーン

1/21/2024, 12:59:34 PM

欲に塗れた愚かしい大人達の勝手な都合に振り回され、いつしか現実に希望を抱くことを諦めたその子は目を閉じて、夢の中に逃げ込む。夢の中だけは自由だから、地獄のような一日を我慢すれば束の間の自由を手に入れられる。

頬を伝い落ちる涙を拭いながら、一体どうすればこの子をこのような暗い闇の中の檻から解放することができるのだろうか、と考える。
いつか、いつか…そう言って実行できたことは一度もなかった。だからこそ、この子のことは私が必ず助けるのだと決心する。いつか、ではなく。必ず。
私はそう思いながらその子の胸を優しく叩く。
そして寄り添い、やがて眠りについた
今宵の月は心做しか、いつもより明るいような気がした。

#特別な夜

1/20/2024, 3:43:38 PM

「ずっと貴方と一緒に居たい」
学園生活を送る中で、いつしか僕はそう思うようになってしまった。
けれど貴方は人間で、僕は…人魚。
陸でしか生きることのできない者に「僕と共に海へ」だなんて。夢見がちなオヒメサマじゃないんだから。

こんなことを言ったって、貴方にとっては迷惑以外のなんでもないでしょう。
ならばこの想いは、内に秘めたままにしなければ。

深い深い海の底へ。
誰も知らない、寒いところへ。

#海の底

1/18/2024, 12:40:01 PM

女学生の命と引き換えに僕の魂を込めた日記。僕に限りのない時間を保証する物。
正直、ただの虐められっ子で惨めな女の命が“コレ”に相応しいとは思えないが、高尚な僕が永遠の生命を手に入れることに貢献できたのだから、これが彼女にとって最も名誉なこととなるはずだ。

本人にその自覚はないのであろうが、余程この世に未練があったのだろう。今ではあの時居た女子トイレにゴーストとなって存在し続けている。
初めこそはあの瞬間のことを誰かに告げられる可能性を危惧していたが、なんとも間抜けなことに僕や蛇のことには気がついていなかったようで他の人間にこのことが知られてしまう恐れは無くなった。

そう思ってあれの存在を放置し続けていたのが良くなかったのか。日記を他人に預けたのが良くなかったのか。日記を使う者が現れたのが良くなかったのか。
ほんの小さな綻びから少しずつ、少しずつ、大きな穴となり僕の日記は破壊されてしまった。あの忌まわしき子供如きに僕の魂が1つ消されてしまった!たかが12歳の子供なんぞに!

#閉ざされた日記

1/18/2024, 9:04:27 AM

木枯らし(こがらし)とは
『晩秋から初冬にかけて吹く北よりの強く冷たい風』のことを指す。冬の季語である。


ひゅうっと冷たく強い風が吹いた。メインストリートにある木々の葉を落としてしまうほどの風に「ああ、なるほど。これが“木枯らし”か。早いな」と呟いた。
隣に居る友人は「コガラシ?なんだそれ」と不思議そうに俺の方を見る。
どうやら『四季』という概念の無いこの世界では、冬の始まりを告げる存在に名前があるということを知らないらしい。

木枯らしのような風が吹き、冬のような時期がやって来るというのにそれを言い表す言葉が無いとは。
なんとも不思議なものだ。

#木枯らし

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