現実逃避
皆んなと遊ぶ、話す、こんな事をしたって辛く長い人生の暇つぶし、ほんの少しの現実逃避にしかならないのに。
それでも手を伸ばしている私がいる。
助けてなんて言えないけどそれでも現実逃避で安心出来るから。
心が壊れてしまわぬ様に必死になって現実逃避をする。
例え数十年後でもはたまた数日後でも私が救われるその時まで。
死ぬ時が初めから知れたなら良かったのに。
ゴールが見えないのはとても怖い。
でも見えていたとしてそれが数十年後なら私はきっと耐えらなかっただろう。
なら見えない方がきっと良かった。
いや、こんな事考えたってしょうがないか。
辛い事は見たくも考えたくもない。
私はこうしてまた現実逃避をしていくのだろう。
この先も永遠に。
君は今
君が居なくなってからもう随分時が経ったんだよ。
あの日何も言わずに何処かに消えた君。
元気にしてる?
君は危なっかしい所があるから不安だな。
でも君の事だから案外元気にやっているのかもね。
何時も笑顔で皆んなのムードメーカーだった君。
意外と努力家な君。
よく恋愛小説を読んでいた君。
君は今何をしてる?
あれから僕は色んな事があったよ。
苦手で何が良いのか分からなかった恋愛小説を読んで見たり、嫌いだった炭酸も飲めるようになったり、人付き合いが苦手で君以外話す人も居なかったけど最近少しだけ話せる様になったんだ。
君に話したい事も、聞きたい事も沢山あるんだ。
今日は君の誕生日だったよね。
誕生日おめでとう。
時計を見るともう直ぐ最終下校の時間になりそうだった。ノートと教科を閉まって帰る。
君が居なくなってから何処か心に穴が空いた様な気がするんだ。
炭酸の抜けたサイダーみたいに物足りない。
また会えるその時はまたよろしくね。
物憂げな空
空を見る。木の葉の隙間から見える空には太陽は見えず雲ばかりが覗く。太陽を見たのが何十年も前に思う。何時も通りの薄暗い霧があるこの森の奥には誰も立ち寄らない。動物達なら見かけたが人なんて私以外には滅多に見かけない。ここから少し歩いた所にある小さな小屋が私の住処。毎日決められたルーティンから逸れる事は無いのだろう。
空を見る。今日も空は雲に覆われている。湖から帰る帰り道で何時も通り空を見ていた。少しの間空を見上げていたが飽きてしまって正面を見ると少年がいた。何やら不思議そうな顔で此方を見る。
「何?」
「えっ?嗚呼!ごめんね、こんな奥に人がいる事に驚いて。」
「ふーん。まあ此処から離れた方がいいよ。暗くなると更に霧が出て帰れなくなるから。」
ほら行った行ったと手で追い払う。私でも夜に出歩くと危険なのだからあんな子が出歩ける訳がない。少年は直ぐに見えなくなった。それにしても変わった子だった。そもそも此処には、それもこんな奥まで入るなとは言われ無かったのだろうか。少し先程の事を考えながらドアを開けた。
空を見る。今日も何時も通りだ。来た。遠くから走る音が聞こえる。あれから毎日あの少年はくるのだ。
「君はこの森について詳しいね。」
この前小屋に向かって歩く道中、そんな事を言われた。当たり前だろう。ずっと昔からここにいるのだから。生命の神秘も木々や湖の美しき事も、森の儚さもここの事なら何でも分かる。
空を見る。隣には少年から青年となったあの子がいた。何やらずっとこちらを見てくる。
「何か付いてる?」
「いや?ただ君はずっと変わらないなと思って。」
怖くないのだろうか。声には愉悦の色が付いていた。呆れの表情を全面に出しながらそちらを見る。彼は未だに笑っていた。
空を見る。何時もと変わらない。少年は死にここには私一人になった。なにか変わった訳では無い。むしろ最近が可笑しかったのだ。誰に言う訳でもないが言い訳をした。帰り道とはこんなにも長かっただろうか。すぐになれるだろうが落ち着かない。私は一人ドアを開けた。
空を見る。今日も雲に覆われている。また正面を向くとあの時の様に少女が此方を見ていた。不思議そうな顔で此方を見ている。
「何?」
また新たな物語が始まる。物憂げな空も何時も通りで幾千の時が経とうが変わらずあった。御伽話の様なそれは御伽話にしては少しビターな味がした。
小さな命
「小さな命ってどんな物だと思う?」
「どんなって?普通に小動物とかの命じゃないの?」
「んー、それじゃあ小動物って?どれ位の大きさだと思う?」
「雀とか蝶々とか?」
「そっか。それは何を基準にしているの?」
「えーーっと?人とか、」
「成程。ならさぁ、基準を地球や宇宙にしたら?人間も小動物、つまり小さな命だと思わない?」
「たし、かに?んー考えた事も無かったなぁ。」
「まあ余り考えない事ではあるよね。この膨大な世界の前で私達は余りにもちっぽけな命なんだよ。」
「難しいなぁ。でも何で急にこんな事聞いてきたの?」
「別に深い理由は無いよ。」
「ふーん。」
何万年、何億年と存在する宇宙に私達は住んでいる。そんな長い時間を生きてきた宇宙から見たら私は見えすらせずに死んでいく短命で限りなく小さな命だ。私達で言う微生物より見てもらえてないだろう。病気になる事も無く研究もしないのだから。きっと見向きもされて居ない。きっとではなく絶対に。なんせ興味を湧く事すらないような小さな命なのだから。
Love you
「I have a crush on you. I want to be your special one. Would you be my lover?」
(私は君に片想いをしています。私は君の特別でありたい。私の恋人になってくれませんか?)
「wait a minute. Do I have to decide that now?
(ちょっと待って。それは今決めなくちゃ駄目?)
How can you say such an embarrassing thing. But more than that, I feel ashamed of myself for being happy about this. I said that because I wanted to hide my feelings.
(どうしてこんな恥ずかしい事を言えるのよ。でもそれ以上にこれを嬉しいと思っているのが恥ずかしい。そんな言葉を隠したくて言ったのに。)
「I want an answer right away.」
(返事は今すぐに欲しい。)
How cunning. Without even considering my feelings.
(狡い。私の気なんて知らずに。)
nevertheless
(それでも)
「You know I‘ve already been in love with you.」
(私はとっくに貴方の事が好きでした。)
「hey love you.」
(ねぇ大好き。)
「You too.」
(私も。)
Without either of them making the first move, they leaned in and kissed.
(二人はどちらともなく自然に顔を寄せてキスをした。)
Happy end.