勿忘草。
――
半日以上日が当たる...ここ、かな。
あ、でもここホースが届かない...。
なら、ここ。
ベランダからも見れるし。
え、夏には枯れるの!?
涼しい環境...日が当たるのに涼しい...。
花育てるのって難しいや。
あ、なら...。
――
5月×日
観察日記帳!
水やりを忘れずにした。
今日から、仲間の一員!
――
5月××日
見ているだけで癒される。
絶対。忘れてやらないから。
なんて。
――
6月×日
今日は、どこか萎れてる。
水やりもしたし、
風通しもいいところに移動した。
枯れてしまうのだろうか?
――
そう書き終える前に、パタンと閉じる。
毎日、忘れた日もあるが。
こまめに取った日記帳。
元より、大きかった本は。
終わりに近づく前に、終わってしまうらしい。
大切に。
――
あ、倒れてる。
昨日、梅雨凄かったもんね...。
中に避難する暇もなく来ちゃって。
恨みとかないよ。
てか、花に恨みって...。
...。
台風並みだったよね。
窓なんてめちゃくちゃ揺れてて。
怖かった。
...。
ほら、空が綺麗だよ。
あんな昨日が嘘みたいに晴れてる。
ね?
...。そっか。
――
7月×日
よく耐えたと思う。
猛暑は来ない。
けれど、暑さも寒さも。
全て、そこにあった。
なんて、詩みたいなこと書いても。
君は___
――
勿忘草。
花言葉は、有名で「私を忘れないで」
他には、「真実の愛」「誠実な愛」
さぁ、彼は。
彼女は。
どちらを持ち、どちらを託し。
どれを、持っていたのでしょうか。
明日じゃなく、君に会いたい。
昨日を見るんじゃなくて、君を見てたい。
ただ、貴方を。
感情も、理屈も。
通じない、貴方だけに。ただ、会いたくて。
こう感じるのも、君のせいだって。
こう思うのも、君の、貴方のせいだって。
言いたくなる。
君に会いたい。
ただ、ただ。貴方に、君に。
全てをとりこして。
全てを取りこぼしてでも。
君に、会いたい。
この世界は?
え、…世界は?
この、世界とは?
淡く、優しく、美しく。
醜く、尊く、軽やかに。
走る貴方も、微笑む貴方も。
一応に、無くしては行けない記憶なのに。
どうして?
その優しさは誰のため?
その美しさは誰に見せる?
その醜さを受け入れるのは?
尊く淡い命を扱うのは?
軽やかに弾む足取りの行き先は?
全て、僕だったのに。
すべて、ぼくのほうがさきだったのに。
どうして!
あいつの為に走るの?
あいつのために微笑むの?
あいつとの記憶なんて…。
…どうして?
ねぇ、どうしてなの?
問の答えは「僕」だよ。
答えは、それ以外有り得ないよ。
なのに、ねぇ。
どうして
淡く、切なく、美しく。
醜く、軽く、穏やかに。
壊れる貴方も、僕を見る貴方も。
一応に、失くしていい記憶なんだ。
どうして?
って。
分かってるでしょ。
「僕のことなんて忘れて」
ぼくのほうがずっとずっとずっとずっとずっとまえからすきだったのに
―――
淡く、優しく、美しく。
醜く、尊く、軽やかに。
走る私を見ている。
君を見ている。
微笑む自分。
一応に、無くしてはいけない記憶だ。
なのに、どうして?
出てくるのは、ただの疑問だけだった。
君は、何を見てるの?
君は、何がしたいの?
私の、
優しさも、美しさも、醜さも、尊さも。
君のだけじゃない。
きみのことはだいすきだけど。
どうして?
どうして私に固執するの?
どうして私と居るの?
どうして、どうして?
答えれないでしょ。
分かってるよ。
淡く、切なく、美しく。
醜く、軽く、穏やかに。
壊れる自分も、君を見続ける自分も。
一応に、失くしていい記憶なわけない。
なんで?
って。
…うるさい。
「 」
これでずっと、ずっとずっとずっとわたしだけになったね
ずっと、
ずっと。
ずっと、 ずっと夢に見ていた。
綺麗で、
美しくて、
絶対に叶わない夢、を。
貴方のいれたコーヒーは温かくて。
それでいて優しくて。
苦味も、
甘味も、
貴方を感じられて大好きだった。
そんなこと言えば、
夕陽に照らされてなのか、
照れているのか。
なんとも分からない顔の赤さで微笑んだ。
ああ、この笑顔だ。
この笑顔が「明日も生きよう」 と思わせてくれたもの。
そして、一生見ることが叶わないもの。
包み込むような暖かさの煉瓦造りは貴方の家。
心地よくて、入り浸ってた。
この感覚、 貴方を感じて好きなんだよね。
なんて言えば、
暖炉の火によってなのか、
照れているのか。
分かってしまう顔の赤さでこちらを見た。
「僕を感じて、どうするの?」
そんなことを言いたい目で。
ああ、そうか。そうだ、 その目だ。
ずっと見ていたいと思わせる魅惑の目。
それでいて、もう見られることはない目。
ねえ、 夢を見るんだ。
貴方の。
貴方が目の前にいて。
温かさも優しさもないコーヒーと。
暖かくも心地よいとは言えない暖炉。
似つかない白いテーブル。
まるでそこから色が抜け落ちたかのように。
「ねえ、 何か話してよ。」
絶対に叶わないと言った癖に、光(貴方)に縋る。
「貴方の全てを感じなきゃ、 生きられないよ。」
もう見ることなんてできない癖に、希望 (貴方) に縋る。
何も反応はない。
それでも、ずっと。
ずっと。ずっと、 ずっと。
ずっと、
ずっと。
夢に見ている
夢を、見ている。