君と電話した夜に夢を見た
雲ひとつない大空を飛び回る夢
ふざけた会話をしているだけで
いつもの忙しさを忘れられる
きっとそんな気持ちが夢に現れたのだろう
電話の終わりは必ず君が切り出す
名残惜しいがまた話せると信じてうんとだけ答える
その寂しさを感じ取ったのかは分からないが
電話を切る前のまたねの一言は
たわいもない話からは想像できないくらい
優しい声色である
今日もまた良い夢が見られそうだ
目を瞑った僕の頬はひたすら緩むばかりだった
大空
空はどんより曇り空
今にも雨が降り出しそう
風はひんやり空っ風
手がかじかんで凍えてる
大地はカラカラ乾燥し
草木が茶色く実ってる
こんなに過ごしにくいのに
気を引き締めて生きている
こんなに辛い環境で
みんな真剣に生きている
君もきっとどこかで
寂しさ
僕はファッションについて無頓着なのだが
不意に帽子が欲しくなった
僕の"気になってる人"が
いつも身につけているということもあるが
単にそう言ったファッションアイテムを
増やしたいという気持ちもあった
一緒に見てあげるよ
ひょんなことから
その"気になってる人"と
帽子選びに行くことになった
とても嬉しかった
その人がファッションについて
明るいからということもあるが
デートのお誘いを受けたかのような
気持ちになったからだ
当日は何気無くご飯を食べて
街をぶらぶらしながら
目当ての帽子屋にたどり着いた
ファッションに無頓着と言いながらも
あーだこーだ言いながら帽子を選んだ
その中でお気に入りの帽子を見つけた
一緒に行ったその人も
それ似合ってるじゃん
と言ってくれた
これに決めた
僕はそう言ってレジに並んだ
するとその人が徐に
誕生日近いからこれはプレゼントしてあげる
と言ってくれた
袋に入れられた
つい先ほどお気に入りになった帽子は
僕の宝物になった
冬は一緒に
昨日の君は酷くしわくちゃだった
僕が別れを告げたからだ
そんなに思ってくれていたと思うと
心苦しいとも思う
でも君のことを考えると
この選択が正しいとも思う
いや、もしかしたら
自分のためかもしれない
でも、自分のためにすることが
意外と他人のためになったりする
どうか元気で
そんな強い心は僕にはまだない
風邪
キラキラ光る東京の街
彼を置いて上京してきた
いつしか彼は私から離れた
それに気づくのはまだ先のこと
冬になり
光夜道を見るたびに
彼のことを思い出す
イルミネーション