物語の始まりはあなたに出会えたこと
あなたに出会わなければ
自分から一歩踏み出そうとなんて考えなかった。
自己卑下し
周りに傷つけられたまま声もあげない。
我慢に我慢をかさね壊れる寸前だった。
だからあなたの強さに憧れた。
何事も恐れない強さが眩しくて羨ましかった。
あなたのようになれたらどんなに良かっただろう。
悔しさに泣き震えたのは一度や二度じゃない。
あなたは弱い私でいいという。
自分が守るからと犠牲になることを厭わない。
私はあなたを守りたい。
あなたがいたから私は変われた。
できることは僅かでもあなたを支えたい。
支えさせてほしい。
あなたが一人きりの孤独に染まらないように。
私たち二人にとって、この出会いが不幸の始まりではなく
幸福の始まりでありますように。
他者には理解できないものにかける熱量
それが静かな情熱なのではないだろうか。
評価をしてほしい訳ではない
やらなければならない義務でもない
自分がやりたいからやる
そうやって続けてきたことは誇れること
だからこそ続けていきたい
ほんの一瞬でも誰かを楽しませるために
物語を紡いでいく
おいでおいで
遠くから声が聞こえる。
宵闇からいざなう声
それは見えざるものの誘惑
声に応じればその人は消えてしまう
まるで神隠しに遭ったかのように
全てが消え去る
まるで都市伝説のような話だけれどこれは実話
声に誘われ親友は消えてしまった
残ったのは彼女が持ってたお守りだけ
彼女が消えた時家出したんじゃないかと噂になった
噂が消えても彼女は戻らず失踪者となった
帰って来るのを待ってるけれど
数年経った今も帰ってきてはいない
「ねぇ……××。こっちにおいでよ。楽しいよ。」
毎夜聞こえる彼女の声に頷くまであと____
春になると思い出す。
あなたとの恋は春に始まった。
出会いは図書室。
本が取れず困っていた私をみかね助けてくれた。
言葉少なく素っ気ない態度の彼が最初は怖かった。
助けたのはただの気まぐれだと思ってた。
彼が本が好きだと気づいたのは図書室で見かけるようになってから。
決まって読んでいたのは洋書ばかりだった。
彼の事を一つ知れた気がして嬉しいと思う。
いつからか本を読む彼の姿から目が離せなくなっていた。
自分でも気づかぬ間に始まった恋。
それは実らなかった。
彼が家庭の都合で転校してしまったから思いを伝える事もできなかった。
伝えられなかった後悔がしこりとして胸に残ってる。
いつか彼に会えたらこの思いを届けたい。
あなたと描いていた未来図
それなのにあなたはいなくなってしまった。
幸福な未来を夢見ていたのに
待っていたのは絶望。
目の前は真っ暗
一体どうしたらいいんだろう。