黒猫

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春になると思い出す。
あなたとの恋は春に始まった。

出会いは図書室。
本が取れず困っていた私をみかね助けてくれた。
言葉少なく素っ気ない態度の彼が最初は怖かった。
助けたのはただの気まぐれだと思ってた。

彼が本が好きだと気づいたのは図書室で見かけるようになってから。
決まって読んでいたのは洋書ばかりだった。
彼の事を一つ知れた気がして嬉しいと思う。
いつからか本を読む彼の姿から目が離せなくなっていた。

自分でも気づかぬ間に始まった恋。
それは実らなかった。
彼が家庭の都合で転校してしまったから思いを伝える事もできなかった。
伝えられなかった後悔がしこりとして胸に残ってる。

いつか彼に会えたらこの思いを届けたい。

4/16/2025, 9:33:49 AM