臨時班長

Open App
2/17/2024, 3:08:14 PM

ぬいぐるみの心は

あなたが初めて私の家に来たとき。
嬉しかったわ。
もう一人じゃないって思えたよ。
どれだけ大変なことがあっても、悲しいことがあっても、あなたは家にちゃんといる。
帰ってあなたを抱きしめるの。
そうしたら、とっても安心して明日は大丈夫って思える気がしたのよ。
だからね、あなたとずっと一緒がいいわ。
――私が死んじゃうくらいまで。

ぐらぐらと揺れる視界の中に、あなたの姿が写った。
いつものように私のすぐ側にあなたがいる。
震える手であなたの頭を撫でた。
ふわふわしていて、柔らかい。
そんな感触が伝わってくる。
――安心する。

プツン。
意識が途切れたようだ。
もう、彼女が目を覚ますことはない。
安心して、逝けたのだ。
だったら、役目は果たせた。
僕の役目は。
『わたしはあなたが大好きよ。』
そんな昔の言葉が思い出される。
そう言ってくれた彼女はもういない。
涙はこぼれない。
涙をこぼれさせられない。
だから僕は、しんと静かな部屋から泣いているような雨を見た。

お気に入り










2/16/2024, 4:42:30 PM

人目

私は、中学二年生のバド部員。
同学年の子は3人という、あまりにも残酷な人数。
理由は、ダブルスの時に一人(私)だけ余ってしまうから。
一年生の頃から、恐れていた。
その未来を。
だから、怖くて逃げ出してしまった。
一時期だけどね。
その結果が今。
私は一番下手で、サボってて、やる気がなく、後輩とも上手くいってない。
そして、恐らく後輩にもそろそろ負けてしまうだろう。
辞めたい。
けど、同学年の子達とは仲がいいし、この関係を壊したくない。
たかが部活ごときで。
辞めたい。
でも、いじめられてる訳じゃないし。
辞めたい。
辞めたい!
だけど、明確な理由がない!
どうすればいいの?
私は本当に辞めたいの?

ああ、そうか、
私は、
―――周りの目が怖い。

後輩よりも下手だって思われたくない。
一人ぼっちだって思われたくない。
コミュ症だって思われたくない。

ずーーーっと、人の目を気にしていたんだ。
やっと気づけた。

私は、人目を気にする人が嫌いだった。
だけど、私もそうだった。

私は、誰よりも人の目を気にしていたんだ。


(今回は自分が悩んでいることをただただ書いただけですが、読んでくれてありがとうございます。)


誰よりも

1/23/2024, 1:01:01 PM

夢のような過去

私は彼と過ごしていた。
毎日、毎日、日を重ねるごとに仲が深まっていって。
嬉しかったな。
楽しかったな。
それなのに、今はもう会えすらしない存在。
そうなってしまうと関係も、記憶も、どんどん薄くなる。
薄くなって、なって、なって、やがて忘れることになるだろう。
まあ、私は覚えておくけど。
今思えばあの頃はなかなか思い出せない夢のようだった。

こんな夢を見た

12/6/2023, 2:38:38 PM

この世界に制裁を

『正』を守り、『悪』を挫く。
それこそが『正』
そう、教えられた。
人は正しく生きなくてはいけない。
だが、悪く生きないと生き残れない。
この矛盾よ。
自分の心は自分が思っているよりも「純粋」、悪くいえば、「幼い」。
大人の心は自分が思っているよりも「複雑」で真っ黒い。
そう気がついたのだ。
汚いことでも、自分に利があるなら平気でしてしまうと、
そんなことをしている暇があるのなら、自分の道を信じて進めばいいのに。
信じれないんだね。
大人は。
どうか、この逆さまな世界に制裁を。

逆さま

11/13/2023, 2:13:07 PM

特別な日

今日は私の誕生日。
みんなに祝ってもらえてよかったんだ。
まあ、ちょっともめたりもしてたけど。
今日というという特別な日、あと少しで終わってしまうけど。
来年も、この『特別な日』は来るよね。
明日を、明後日を生きる限り。
では、また会いましょうこの『特別な日』に
次会う時は15才だね。

また会いましょう

Next