見えても見えなくても
生まれたての赤子には翼がはえている。
しかし、それは鳥のように高く飛べず、何の為にあるのか不明だった。
よって、多くの家庭では子が少し成長すると翼は切ってしまう。
昔はそんなものは見えなかったらしい。
ある日突然、皆が見えるようになったのだ。
「何故だろう?」
――――
此処は天界。
人間の世界を管理するのが仕事だ。
最近、人々に『翼』を視せるようにした。
何故かって?
新しい可能性を見せる為さ。
まあ、
失敗しちゃったんだけどね。
飛べない翼
悲しみと楽しみは紙一重、その時の雨は…
雨が降って、降って、止まなくて。
けれども、だんだんと止んできて。
最近は、傘をささなくても外を歩けるようになったんだ。
でもね、ふとした瞬間雨は降りだす。
貴方を思い出した時に。
人っていいよね。
あの日の悲しみを。
貴方と離れてしまう悲しみを。
忘れさせてくれる。
でも、完全には忘れさせてくれないの。
脳裏に焼きついてるからかな。
貴方との楽しかった記憶が。
脳裏
(500💙突破しましたありがとうございます)
いつでも逝ける
『意味がないこと』などこの世にはたくさんあるのだ、と誰かから聞いたことがあった。
何故そんなことがあるのが疑問に思う。
だから、この目でそんな『この世』を見たくなったのだ。
天使だった俺はそんな思いでこの世に生まれ落ちた。
―――
俺は、だんだんと成長していき、今年で14となった。
まあ、人間になってからの年だけど。
そして、前に誰かから聞いた話がわかってきたような気がする。
勉強、部活、人間関係、そもそも『生きること』そのものが意味がないとまで思えた。
でも、この生活を辞めたいと思い天界に戻ろうとしても、何故か戻りたくなかった。
この『意味がないこと』におもしろさを覚えたからだ。
還りたくなったらいつでも還れるし、この無駄を楽しみたい。
だって、逝きたくなったらいつでも逝けるんだからね。
意味がないこと
身体と魂の守護者
雨が降っていた。
細かい雨で触れると消えちゃうような。
顔をあげるとお日様が輝やいて。
キラキラしている雨だった。
その光が私の眼に映る。
その瞬間、『身体』は初めて魂を宿した。
――
私は歩く。
この身体を動かして。
せっかく神様がくれた身体。
使わなければ、もったいない気がした。
大丈夫。
何があっても。
だって、柔らかい雨が守ってくれるから。
柔らかい雨
貴方は『光』
貴方は私の一筋の光
『だから、あなたのところに行くわ。絶対に迷わない。』
『そして、あなたと道を歩くわ。一緒にね。』
『きっと、離ればなれになっても私のところに来てね。約束よ。』
―――
光はどこにいてもわかる。
特別な存在。
それが貴方という、
『光』
一筋の光