声のトーン
部活、勉強、人間関係…
人はそのような悩みを抱えて生きる。
でも、それを他人には見せてはいけない。
暗黙のルール。
何気ないふりをして笑顔を振り撒く。
そうしないといけないから。
そういう社会だから。
このルールを飲み込まなければならない。
だから、私は声のトーンを少し上げ、今日を歌う。
<何気ないふり>
時が経つにつれて
明日で一年が経つ。あの卒業式から。
あの時、私は泣いていた。
みんながいる前で。
人前で泣くなんて恥ずかしすぎてとてもできない。
そう思っていた。
でも、友達が一年間の思い出を思い出すかのように泣くから、私は安心したのだろう。
その涙を見て、自然と自分の目からも涙が出た。
その時は、理解が追い付かなかった。
この日常がなくなってしまうことが。
もう貴方の隣でいられないことが。
解らなかった――
~~~~~~~~
もう、泣かない。
何も解らなかった私ではない。
私は成長した。
貴方がいなくても生きて行けるぐらい。
でも、たまには思い出させてね。
涙と共に。
<泣かないよ>
終わり
『もうすぐ卒業だね』
もうすぐ卒業。
ついに小学校生活に終わりを告げる時。
いよいよ私の番だ。
そう考えると平凡な毎日が輝いて見える。
それはきっと終わりが見えているからだろう。
この世に終わりがないものはない。
『ずっと』などできるはずがない。
これでいい。
わかってる。
だけど、ずっと、ずっと、貴方の隣で笑っていたかったな。
<ずっと隣で>
もしかしたら
卒業して、貴方がいなくなってしまった。
下校中にいつも、『もしかしたら、今、彼は家に帰ろうとしているのかもしれない』と思ってしまう。
『このまま右に曲がれば彼に会えるかもしれない』頭の中の自分がささやく。
わずかな希望が心を揺さぶる。
右の道を選ぶ。
だけど、貴方はいない。
わかってはいたが、がっかりしてしまう。
少しの希望。
会えるだけでいい。
貴方を一目でもいいから――
私は今日も家とは反対の右の道に行く。
たった一つの希望にかけて。
<たった一つの希望>
あの毎日に戻りたい
あの日から――そう、あの卒業式から1年が経とうとしている。
あの日、私たちはバラバラの道を歩み始めた。
私だけを残して。
『みんないつかはどっかに行っちゃうんだろうなぁ』
不安。
今、私の周りにいる子も?
そうやってどこかに―― 。
あぁ、神様。
昔のような毎日を歩みたい。
貴方がいて、みんながそばにいる毎日を。
<欲望>
お久しぶりです。