臨時班長

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もしかしたら

卒業して、貴方がいなくなってしまった。
下校中にいつも、『もしかしたら、今、彼は家に帰ろうとしているのかもしれない』と思ってしまう。
『このまま右に曲がれば彼に会えるかもしれない』頭の中の自分がささやく。
わずかな希望が心を揺さぶる。
右の道を選ぶ。
だけど、貴方はいない。
わかってはいたが、がっかりしてしまう。
少しの希望。
会えるだけでいい。
貴方を一目でもいいから――
私は今日も家とは反対の右の道に行く。
たった一つの希望にかけて。

<たった一つの希望>

3/2/2023, 2:52:23 PM