【星が溢れる】
星降る夜空を見上げて
君と指を絡める。
そんな未来も、あったのかな。
隣の温度を感じない夜は
酷く冷たく、酷く孤独だ。
涙が溢れて
流れ星のように頬をつたった。
【安らかな瞳】※長文注意
怪異と人間なんて、わかり合えない。
でも、俺の主は、そんなことも成し遂げた。
世は平安時代。怪異とは恐れられた存在で、人間とは大別していた。……人間が死んで世界を恨んでいた人がなる存在なのに。あまりにも理不尽だ。
けれど、主様は、何人かの怪異と契約をし、使役している。
俺はその一人だ。
主様はよく分からない。今だって、使役している怪異と村の子供が遊んでいる様子を見て、安らかな表情で眺めている。
俺は隣にすっと入る。
「……なんで笑ってんの?」
「あぁ、陽明。……怪異もさ、この世に恨みがなくなったら、この世に居なくてもよくなるでしょ?しかも、子供たちも楽しいし、一石二鳥〜!」
「おめでてぇ頭してんな。」
「それに、怪異たちも可哀想でしょ。」
「……確かにな」
主様は木の下をふらふらと理由もなく歩く。
木々のせせらぎが俺等を包む。怪異と人間は、もしかしたら、主様のお陰でくつがえされるのかもしれない。そんな淡い期待を抱いていた。
「ねぇ、陽明。」
その俺の名前を呼ぶ声は酷く寂しくて、酷く冷たかった。どうしたのだろうとゆっくりと後ろを振り向く。
「こうやって、人間と怪異も分かりあえるからね」
その表情が酷く儚く、哀しそうに見えた。
あの言葉は別に、心には響かなかった。
けど、俺は知ることになる。あの時、何を伝えたかったのかを。
数日後、主様が、死罪になった。
怪異と関わった罪だ。
そして、使役していた怪異を皆殺し……いや、唯一人間姿の俺以外が殺された。
このままじゃ、だめだ。主様が安らかな顔で寝れない。それに、主様は、ヒントを色々くれた。
怪異の使役の仕方、人間との関わり方。
俺は、世界を造るために、歩き出した。
【続……くかもしれない】
【もっと知りたい】
君のことを、全部わかってた気になっていた。
でも、本当は、全然違った。
上辺だけ見て、決めつけて、僕の目には、
【僕の理想の君】がいつも映っていた。
君のことが知りたい。
君が居なくなってはじめてそう思った。
病気のことも、本音も、家の事情も、全く知らなかった。いや、知ろうともしなかった。
だから、今、もっと知りたい。
そして、全部知ったなら、君に、もう一度笑ってほしい。
僕は、君を探す旅に出た。
【お金より大事なもの】
―喫茶店の薫り―
「……堀川先輩って、パチとか言ったことあるんでっか?」
いつものカウンター席で女装姿の叶が尋ねる。今は客足がなく、ここには叶と堀川と、女性店員の百花がいる。
「フッ、聞きたい?叶君。僕がパチに行って全財産破産した話。あれは…春の日差しが暖かかった、」
「あ、もうええねん。」
「堀川さんって、顔だけはモテるんですけどねぇ…」
「百花ちゃんまで!?」
百花は呆れながら布巾をカウンターに置く。
「……私の出番が少なすぎます。」
「それは作者に言ってくれ。てか、叶はどうしてパチ?あ、未成年は行っちゃダメだよ!」
「は?ちゃうわ。そんなパチ経験者の堀川先輩は、パチで学んだこととかあるんかなぁー、と思うて。」
「ん〜、学んだことかぁ…」
腕を組んで考える。堀川は意外とこういうことは考えるのだ。
「パチはクソ。」
「それはやる前から頭に入れといてください。」
「それと、」
ちらり、と叶と百花を見る。2人とも不思議な顔をする。
「お金より、大事なものがある、ってことかな」
「え?なんやねん。それ」
「教えてください」
「パチに行ったらわかるよー」
「「遠慮しときます(くで)」」
堀川が笑う。
そして、思う。
お金より大事なものは、僕の大切な人。
堀川は、2人の頭を乱暴に撫でた。
「何すんだよ!」
「……セクハラ……」
「ちげーよ!」
【絆】
人は、嘘をついて人に優しくする。
人は、誰にも話せない秘密がある。
人は、上辺だけで決めつける。
だから、絆というものは、脆いんだ。
醜くて、緩くて、脆い。
すぐ簡単に解けるし、すぐ簡単に消えてしまう。
時には、結んだ絆が自分の首を絞めることさえある。
だから、今の数少ない絆を大切にしよう。
それがたとえ、上辺だけでも、利用されてるだけでも
今いる人たちに、ありがとう。