【安らかな瞳】※長文注意
怪異と人間なんて、わかり合えない。
でも、俺の主は、そんなことも成し遂げた。
世は平安時代。怪異とは恐れられた存在で、人間とは大別していた。……人間が死んで世界を恨んでいた人がなる存在なのに。あまりにも理不尽だ。
けれど、主様は、何人かの怪異と契約をし、使役している。
俺はその一人だ。
主様はよく分からない。今だって、使役している怪異と村の子供が遊んでいる様子を見て、安らかな表情で眺めている。
俺は隣にすっと入る。
「……なんで笑ってんの?」
「あぁ、陽明。……怪異もさ、この世に恨みがなくなったら、この世に居なくてもよくなるでしょ?しかも、子供たちも楽しいし、一石二鳥〜!」
「おめでてぇ頭してんな。」
「それに、怪異たちも可哀想でしょ。」
「……確かにな」
主様は木の下をふらふらと理由もなく歩く。
木々のせせらぎが俺等を包む。怪異と人間は、もしかしたら、主様のお陰でくつがえされるのかもしれない。そんな淡い期待を抱いていた。
「ねぇ、陽明。」
その俺の名前を呼ぶ声は酷く寂しくて、酷く冷たかった。どうしたのだろうとゆっくりと後ろを振り向く。
「こうやって、人間と怪異も分かりあえるからね」
その表情が酷く儚く、哀しそうに見えた。
あの言葉は別に、心には響かなかった。
けど、俺は知ることになる。あの時、何を伝えたかったのかを。
数日後、主様が、死罪になった。
怪異と関わった罪だ。
そして、使役していた怪異を皆殺し……いや、唯一人間姿の俺以外が殺された。
このままじゃ、だめだ。主様が安らかな顔で寝れない。それに、主様は、ヒントを色々くれた。
怪異の使役の仕方、人間との関わり方。
俺は、世界を造るために、歩き出した。
【続……くかもしれない】
3/14/2026, 9:44:14 PM