'25年1月21日 羅針盤
我が家の裁縫箱に羅針盤が一つ入ってるのを思い出した。
プラスチックでできたシンプルなもの。
いつ頃からあるのかわからないし普段はその存在すらすっかり忘れてるんだけど、一年に一回必ず使う日があるの。
それは節分の日。
恵方を向いて巻き寿司を食べる時ね。
なんとなくどっちが北なのかわかってるけど、ちゃんと測りたくなっちゃう。
一度はスマホにコンパスが入ってるのを知ってやってみたんだけど、なんか気分が出ないよね。
針の赤い方と北の文字が重なるように動かして微調整していく。
針がフラフラしてるのを少しずつ合わせる感じがアナログでいいよね。
恵方がわかればもう羅針盤の役目は終わり。
すぐに裁縫箱へ戻しまた来年。
一年にたった一度の出番だけど、お雛様もクリスマスツリーも飾らなくなったうちでずっと続いている行事の一つだから、この羅針盤はなくてはならないものになってるよ。
このお題のおかげで今日も取り出したから、今年は2回も出番があって良かったね。
'25年1月20日 明日に向かって歩く、でも
最近は運動不足に拍車が掛かり、足の筋肉はほぼ無いんじゃないかと思うくらい。
2時間立ちっぱなしのライブを楽しんだ後の一週間は、筋肉痛で歩くのも辛いんだよね。
高齢の母は自転車に乗らなくなって毎日歩いて買い物に行くから、私よりも歩くのが早い。
前よりも元気になってきたみたい。
私も母に倣って元気な高齢者になるために、元気な明日に向かって歩く。
でも、いつ歩く?
朝は出勤前で忙しいし夜は帰ってきてやることもたくさんある、それに1人で夜道を歩くのも怖いな、でも···。
はい、私の運動不足の原因がわかりました。
『でも』この言葉がいけないね。
歩くと決めたら歩かないといけないんだよね。
あーまた今回も『でも』の魔物にやられました。
毎日歩くのはたぶん無理そう。
でも。
週末くらいなら歩いてみようかな。
少しずつね、明日に向かって。
'25年1月19日 ただひとりの君へ
若い頃は友達に会うと恋の話やファッションの話、美味しいスイーツのお店のこと、たまに職場の愚痴もあったけど、前向きな話が多かったよね。
でもみんなそれなりに人生経験を積んでくると、今までにこんな大変なことがあったとか、こんな苦労をしてきたとか、後ろ向きな話が増えてきた。
誰が一番不幸でどんな人生なら幸せなのか、みんな正解がわからないから愚痴ばかり出ちゃうんだろうな。
後ろを振り返りながら進もうとするから、前に進んでるのか後ろに戻ってるのかわからなくなってきてる。
自分の未来には自分がいて、できれば満足そうに笑っている自分に会いたいよね。
まだ見ぬただひとりの君へ、私の人生は山あり谷ありだったけどとても充実していたよと報告できるように、少しでも前を向いて進んで行こうと思います。
'25年1月18日 手のひらの宇宙
社会に出て初めて就職した会社は、女子社員がお茶を淹れることになっていたの。
朝は朝礼の後に緑茶、3時は希望する人に珈琲を淹れる。
新人の頃は特に忙しくもないから頼まれることも多く、私も嫌な顔せず引き受けていたよ。
2年目になって新人が入り私のお茶淹れ仕事が減ってきた頃、必ず私に頼んでくる人が数名いたんだよね。
ある時その内の1人に頼まれ珈琲を出すと「君が淹れてくれる珈琲はなぜか他の人より美味しいんだよ、何かコツがあるの?」と聞かれたんだけど自分でもわからない。
後で考えてみると、いつも丁寧に美味しく淹れるように心がけていたと思う、どんなに忙しい時でも。
そして珈琲の濃さや砂糖、ミルクの量もみんなの好みを微妙な匙加減で覚えていたんだよね。
それ以来、私の特技は珈琲を淹れること。
もしかしたら私の手のひらの宇宙には、珈琲好きの人を惹き付けるブラックホールがあるのかも知れない。
'25年1月17日 風のいたずら
花の香りで季節を感じることがあるよね。
分かりやすいのは春の沈丁花、秋の金木犀。
道を歩いていると花が咲いているのを見つける前にどこからか漂ってくる。
そうなると周りを見回してどこから漂ってくるのか、咲いてる花を見つけたくなるんだよね。
そして意外とすぐ近くで見つけて、こんなに可愛い花に気づかず素通りするところだったな、なんて思ったりする。
花の存在に気づかせてくれたのは風のいたずらのおかげだね。
気まぐれに香りを運んできて季節の変わり目を感じさせたと思ったら、いつの間にか香りはすっかり消えてる。
ほんの一瞬のいたずらに踊らされる私です。