うね

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'25年1月18日 手のひらの宇宙

社会に出て初めて就職した会社は、女子社員がお茶を淹れることになっていたの。
朝は朝礼の後に緑茶、3時は希望する人に珈琲を淹れる。
新人の頃は特に忙しくもないから頼まれることも多く、私も嫌な顔せず引き受けていたよ。
2年目になって新人が入り私のお茶淹れ仕事が減ってきた頃、必ず私に頼んでくる人が数名いたんだよね。
ある時その内の1人に頼まれ珈琲を出すと「君が淹れてくれる珈琲はなぜか他の人より美味しいんだよ、何かコツがあるの?」と聞かれたんだけど自分でもわからない。
後で考えてみると、いつも丁寧に美味しく淹れるように心がけていたと思う、どんなに忙しい時でも。
そして珈琲の濃さや砂糖、ミルクの量もみんなの好みを微妙な匙加減で覚えていたんだよね。
それ以来、私の特技は珈琲を淹れること。
もしかしたら私の手のひらの宇宙には、珈琲好きの人を惹き付けるブラックホールがあるのかも知れない。

1/18/2025, 1:45:11 PM