寝室の窓は東向きであった
遮光カーテンの隙間から
強烈な朝日が差す
温もりなんて生ぬるい
容赦なく私を叩き起す
午前4時30分か……
4時台に叩き起されるとは……
いよいよ夏に近づいたのだと
眩しさに目を擦りながら
起き出した
(散文)
§朝日の温もり
私の人生に岐路はなかった
ずーっと一本道
一本のレール
分岐装置もなかった
だから、人生で選択することなど何も無い
岐路があったとしても先に排除されている
それが
人生
考えることなど求められていなかったし
選ぶことなど許されていなかった
だけど気づいた
前方に一本道だと思っていたけど
後ろに通ってきた道があるんだと
進んでいるのだから
立ち止まることも出来るのだと
このレールを後戻り出来ない時間軸だと
刷り込まれていた
違う
一歩でも下がれば
用意されていない道か見えてくる
だって
道を用意する存在は
私が一歩下がるなんて考えていないのだから
勇気をだして立ち止まり
考えて
一歩引いた
すると見えなかった岐路が
私の前に無数に現れた
§岐路
いまこの平和な日常を
君とスゴシテいるのは
僕は
世界の終わりに
君とイッショに
過ごしていたんだね
全てはマボロシ
此処はマホロバ
最悪の想定ができるということは
可能性があるということ
つまり、
その可能性がある限り
起こりうるということだね
カレーうどんを想像してみて?
君は今日白いTシャツを来てきたから食堂のカレーうどんを頼むのをやめた
でも、今日はカレーうどんが定食に入っていたから
結局他の人が食べてた汁が背中にとんでるよ
想定できる最悪の状況ってのは
少ないパーセンテージであっても
起こりうるのさ
スマホを修理に出しにショップに行った
店員さんに
電話番号はわかりますか?
と聞かれ、
「えーつと……夫のスマホなんです」
と答えた
怪しかっただろうか
訝しんだ顔をした店長さんに
「今朝旅行に行く夫のスマホが故障したので
私のを貸して代わりに修理にきたんです」
SIMカードを入れ替えるだけで
本体はそのまま使えるし
幸い同じメーカーのものを使っていたので
旅行先で友達と連絡が取れないと
困るだろうと貸したのだ
本体に写真やアドレス、メールなどが残るため
店員さんに
「ご夫婦で、秘密とかないんですか」
とたいそう驚かれた
そうか
そういえば特に秘密とか
考えもしなかったな
まあ少なくとも
誰にも言えない秘密は
スマホには残さないものだが