離れ離れになっても、君を好きでいる。
あなたがこう言ってくれたから、私は今日まで待つことができたの。
だけど、久しぶりに会ったあなたは、好みの違う服に身を包んで、知らない匂いをさせていた。
今目の前にいる私に、目も合わせようとしない。
あなたの目には、私が映っていなかった。
私たちは終わったのね。
そう悟って、息を吸った。
彼から放たれる次の言葉が、心底怖かったから、
私から言うの。
「別れよう」
11.16 はなればなれ
路地裏に捨てられていた、子猫を拾った。
丸くてキラキラした目をした、純粋無垢な子だった。僕はその子を連れ帰って、綺麗にしてあげた。幸い怪我も病気も無いようで安心した。僕はその子を飼うことにした。名前は、マリ。そう名付けた。首輪をつけて、檻に繋いだ。マリはすくすくと成長した。それと同時に、僕にとても懐いてくれた。僕はマリと四六時中一緒にいた。身の回りの世話は全てやってあげて、ここにいたらマリは何もしなくていいんだと教えた。それと、マリには特別な教育をした。ある日、マリにお家に帰りたいかと聞いた。マリは黙って首を横に振った。かつてキラキラしていた目は、虚ろに僕だけを写していた。マリは僕に心酔していた。だから、僕らは結婚した。いつまでも愛しているよ、マリ。
11.15 子猫
秋風が、暖かい夏と一緒に
貴方の心も冷ましてしまった
11.14 秋風
「また会いましょう」
そう言ってアイツは自殺した。
髪が長くて声が小さい、いつも縁の太い眼鏡をかけていたアイツ。俺はアイツが気味悪くて、いじめていた。初めは泣いたり失禁したりして面白かったのに、だんだんと反応が薄くなっていった。他のヤツらはそれがつまらなくなってやめてしまったけど、俺だけはいじめ続けていた。やがてアイツから何の感情も感じとれなくなり、ある日突然死んでしまった。俺の目の前で笑って逝った。
それからというもの、毎日毎日手紙が届く。手紙には俺を呪う言葉と、自傷行為の写真が封入されている。俺は気味が悪かった。アイツは死んだ。なのにどうしてアイツの名前が書かれているのか。俺の精神は日に日に追い詰められていった。そんなある日、登校すると、いつもなら笑って話しかけてくる友人が誰1人話しかけてこなかった。それどころか、俺を避けているようにさえ感じられる。その日の放課後、先生に呼び出され、いじめについて言及された。俺は何も知らないと答えた。後から知ったことだが、クラス全員の家にアイツから手紙が届いていたそうだ。その手紙には、俺を呪う言葉が書かれていたらしい。だから、みんな俺を避けて無関係になろうとしたのだ。
日を追う毎に、俺の居場所は無くなっていった。ついには、両親にまで話が伝わってしまった。泣きながら俺に説明を求める両親に、俺は何も言えずただその場に立ち尽くしていた。すぐに俺は地域の有名人になった。歩いていれば、知らない人でも俺を避ける。俺には居場所が無くなった。部屋に籠った。明かりすらも俺を嘲笑っているように思えて、電気をつけるのを辞めた。寝ているのか寝てないのかもよく分からない。家族も俺と顔を合わせようとしない。毎日届き続ける手紙は、ついに部屋の一角を占拠した。吐き気が止まらない。食事が喉を通らない。死にたかった。
ふと、窓を見た。久しぶりにカーテンに手をかけ、そっと開く。光が一斉に入ってきて、目が眩んだ。やっと、救いを見つけた。
次に目が覚めたら、俺を見下ろすアイツがいた。
「また会いましたね」
アイツは笑っていた。
11.13 また会いましょう
人生は上手くいくことばかりではない
むしろ上手くいかないことの方が多いだろう
それでも挑戦を続ける人々が居る
そんな人たちが掴みたいものを掴んだ時
人生大逆転の美しいお話が生まれる
成功者には不思議とそんな人が多い
教科書通りに生きるのではなく、
自分の興味に従って、挑戦的に生きる
そんな人生が格好いいと思う
11.12 スリル