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11/1/2024, 10:43:22 PM

しょうがくせいになりました。たくさんともだちをつくりたいです。

きょう、とめちゃんにはなしかれられました。うれしかったです。

今日は、かん字をならいました。すこしだけ、かけるようになりました。

とめちゃんはお花が大好きです。おひる休みにいっしょにお花をつみました。

とめちゃんにカレシ?ができました。お母さんに聞いたら、ませてるわね〜と言われました。よく分かりませんでした。

今日は、とめちゃんがカレシとキスをしたとみんなが話していました。キスは、好きな人とするものです。

とめちゃんに聞いてみました。
「ボクのことキライ?」
とめちゃんはえがおで言いました。
「好きだよ!」
好きってなんだろう。ボクは分からなくなりました。

好きは1人の人を大切に思う気もちです。先生が教えてくれました。とめちゃんはボクを好きだと言いました。もうカレシは好きじゃないのでしょうか。

とめちゃんに聞いてみました。
「ボクとカレシどっちが好き?」とめちゃんはボクのちかくに来て、耳元で言いました。
「本当はね、キミの方が好き。」
とめちゃんはボクのことが好きでした。

今日も、とめちゃんとカレシが遊んでいました。ボクはカレシに、「とめちゃんはボクのだよ」と言いました。

とめちゃんはボクと話してくれなくなりました。ボクは理由が分かりませんでした。とめちゃんに聞いてみました。そうしたら、
「もう話しかけないで。」と言われました。

とめちゃんは、ボクのことをキライになったのでしょうか?そんなことないと思います。きっとカレシにボクと話さないように言われてるんです。ボクはとめちゃんがかわいそうになりました。

とめちゃんをカレシから守らないといけません。ボクの家には、使われていないそうこがあります。そこにとめちゃんをつれてくることにします。

とめちゃんのうでをひっぱって、うちにつれてきました。とめちゃんはとてもイヤがりました。かなしかったです。でも、うちでカレシから守ってあげたら、またボクを好きになってくれます。

ボクのごはんをとめちゃんにあげました。おなかがすきました。とめちゃんはおこっていました。どうしてか分かりません。

とめちゃんがユクエフメイだと近所の人たちがさがしまわっていました。だいじょうぶです。とめちゃんは元気です。

とめちゃんを守って1週間たちました。ボクは毎日とめちゃんに、ボクのことが好きか聞きました。今日やっと好きと言ってくれました。

とめちゃんにカレシとキスしたのは本当か聞きました。本当だと言いました。キスは好きな人とするものだと教えてあげました。そうしたら、とめちゃんはボクにキスしてくれました。うれしかったです。

ボクは決めました。ボクがとめちゃんをえいえんに、守ります。一生いっしょにいます。



日記は、この後も数年分、記されていた。
“隣の家から異臭がする”と通報があり、その家に行くと、倉庫に女の子が監禁されていた。虚ろな目をしており、身体は痩せこけ、生きているのが不思議なくらいの状況だった。声をかけたが、「ユラくんユラくん」と加害者の名前を呟くだけだった。
加害者は中学1年生で、被害者を小学3年生から約4年間監禁していたとみられる。加害者には母親しかおらず、その母親も近隣住民によると、滅多に帰ってきていないそうだ。加害者は、十分な愛情を受けず育ったため、異様な愛情表現をしてしまったと考えられる。
被害者には家族がいたが、1年前、不可解な事故で全員が亡き人となっていた。被害者は病院で治療後、児童養護施設に引き取られることとなった。

裁判や諸々を経て、加害者が釈放されたのはそれから1年後。被害者は治療を受け、まともな教育も受け、それから2年後に自由に外出することを許可された。
高校生となり、2人は再会した。お互いがお互い、忘れられる日はなかった。



ボクたちは2人で育ってきたのだ。大人の干渉を受けず、歪ではあったけれど、互いに愛していた。大人はこれを共依存、洗脳などと気味悪がるかもしれない。でも君を心から愛している。
「永遠に、一緒にいよう。」
彼女の指に結婚指輪をはめた。


11.1 永遠に

10/31/2024, 10:32:24 PM

父と母と旅行へ行った。
たわいない話で笑いあって、夜には美しい夜景に言葉を奪われる。
父も母も仲が良くて、2人とも僕を愛してくれる世界。

朝、起きたら泣いていた。


10.31 理想郷

10/30/2024, 6:18:22 PM

帰り道。
水溜まりに映る逆さまの世界に、
飛び込みたくなった。
大人になって忘れてしまっていたこと。
あの頃の記憶が蘇る。
カラフルな長靴で、
友達と意味もなく水溜まりで遊んだ。
童心を思い出して、
今日は思いっきり水溜まりに飛び込んでみた。


10.30 懐かしく思うこと

10/29/2024, 5:45:47 PM

放課後、夕日に照らされる屋上で彼に告白された。

私は嬉しくて、涙ながらに「はい。」と答えた。
彼は高身長で、イケメンで、女子に人気があって、元カノもたくさん居た。友達には、そんなチャラい男やめなと何度も言われた。だけど、私はずっと憧れだった人とお付き合いできただけで幸せだった。付き合ってからの彼は、驚くほど私に関心がなかった。私から話しかけないとまず話すことは無いし、デートに誘われることもない。メールでのやり取りも、私が送ったら返信が返ってくるだけ。私の中に徐々にある疑問が浮かんだ。
彼は本当に私のことが好きなのだろうか。
それは私の心の中でどんどん膨らんでいき、やがて確信へと変わった。
彼は私を落胆させるために付き合ったのだ。自分の顔だけ見ている女たちに、自分の中身を見せつけているようだった。彼は初めから私のことを好いてなどいなかった。そんな彼の心情に気づいて、私は彼をもっと好きになった。それは彼の優しさであると私は思うから。
それから私は彼に積極的に接し、一緒に帰ったり、デートに誘ったりした。私のことを好きにならなくても良い。ただ私はあなたの内面まで見ていることを知ってほしかった。

ある日、彼に放課後、屋上に来るよう言われた。嫌な予感がした。屋上の扉を開けると、夕日に照らされた彼がいた。告白された、あの日と同じ情景。ただひとつ違うのは、彼の顔が神妙に歪められていることだ。彼が口を開いて、
「別れよう。」と言った。
私はいつかこんな日が来ると思っていた。彼が私を好いていないこと、分かっていたはずなのに、目からはとめどなく涙が流れた。それでも涙を拭いながら、
「分かった。今までありがとう。」と震える声で答えた。
私は理由も聞かずに踵を返した。だって聞くまでもなく、理由なんて予想できたから。しかし、体が引っ張られる感覚に足を止める。彼が私の腕を掴んでいた。
「待って、ごめん。泣かせるつもりはなかったんだ。」そう言われて、頭が混乱する。彼の顔はなぜか紅潮していた。
「俺は今まで君に対して、とても不誠実だったと思う。本当は君のこと好きでも何でもなかったんだ。でも、君と付き合ってから、君は俺を本当に愛してくれているんだと分かった。だから、もう一度ちゃんと言わせてくれ。」
私はあまりに突然のことで理解が追いついてこなかった。彼は、

「君が好きです。付き合ってください。」

と言った。
私はこの一言で、さっきとは比べ物にならない量の涙が溢れ出てきた。
「はい。」

ここから始める、私たちのもう一つの物語。


10.29 もう一つの物語

10/28/2024, 10:35:47 PM

暗がりの中、それを手探りで引き寄せる。
それは、もふもふの毛に覆われていて、
僕に微かな温もりを与えてくれる。
大丈夫、きっとここから出られる日がくる。
そう自分に言い聞かせる。
外では銃声が絶えず鳴っていた。


10.28 暗がりの中で

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