「...へ?」
目を開けた時に飛び込んできた光景にまぬけな声が出てしまった。
「どこここ」
だって仕方ないじゃん。なぜか貝がらがたっくさんあるきれいな海?みたいなとこで目が覚めたんだもん。
「きれーだけど...なんでここにいるんだろう」
よくわからない。
たぶんお兄ちゃんのイタズラだと思う。
「まーいいや。かいがらであそんでよ!」
不安でなきそうではあったがあえて強がてみせた。そうしたらイタズラの時間が短くなるのを知っていたからだ。
「ぴんくのやつがたくさん!」
ぴんくが好きだからそれはうれしかった。
他にも、あお、きいろがある。
「みっつのいろしかない...ん〜じゃあおしろつくろーっと!」
そう思いひとつ、かいがらをつかむと
「いたっ」
あたまがちくちくした。お兄ちゃんにぱんちされたみたいな感じ。
ちくちくのあといきなり5さいのたんじょーびぱーてぃーの記憶がよみがえってきた。
『おめでとーはい金だぞ。好きなもんでも買っとけ』
(おとおさんだ!げんきかな?お金くれたからおとなみたいでうれしかったなー!)
『はい。ケーキの代わりのカップ麺。足りるでしょ?』
(お母さんが作ってくれるかっぷらーめん!だいこーぶつ!)
『俺からは...ねぇわ!まぁ後で俺の友達と遊ぼうぜ〜w』
(お兄ちゃんのお友達と遊んだときこわかったなー...。はだかでさむかった!でもたくさん遊べて楽しかったな〜)
続きは後で―
むかしのおもいで
いちねんさんくみ まつだ あいか
わたしはむかしからずっといえにいました。
おかあさんがそとはあぶないから、なかにいてっていってたからいつもおうちであそんでました。
でもさんさいのとき、ほんとのおとおさんといっしょにゆうえんちにいったのおわたしはおぼえてました。
だからおそとであそびたかったけどだめっていわれました。
ごさいのとき、おかあさんがつれてきたあたらしいおとこのひとが、わたしに、110 とかかれたかみおわたしておとこのひとにあとでおでんわかけてといわれました。
おでんわしたときはいままでずっと、いえに、いたことおおとこのひとにおしえてねといわれました。
だからおでんわおかけました。
おかあさんがおこつてたたいてきていたくてないちゃたけど、けいさつさんがきておかあさんおつかまえました。
おかあさんはわたしにぎゃくたいしてておかあさんがいないからおとこのひとがおとおさんになっておそとであそべるようになりました。
でもまたおかあさんといつしょにあそびたいです。
(ここは...どこだ?)
何故か俺は足首くらいまでの綺麗なグラデーションの海..?のような所にたっていた。
(なんで..こんなとこに..?)
なんだかいらいらしてきて近くに落ちていた小さいピンクの貝殻を拾う。
そして投げようとすると..
「いたっ!」
いきなり頭がズキっとした。
そして次の瞬間...
『まーくん誕生日おめでとう!』
『大好きなケーキだぞ〜』
『わー!おとーさん、おかーさんありがと〜!』
昔の記憶が蘇ってきた。
(な..なんだこれ..!)
興味が湧いてきたので今度は青い貝殻を拾う..するとまた頭がズキっと痛み今度は ...
『うわぁーん』
『またこんなことして!健太くんに謝ってきなさい!』
『だ..だってぇ〜けんたぐんがわるぐちゆったんだもん...うわーん』
怒られている時の記憶だ。
そして俺は色んな貝殻を拾いまくって気づいた。
(これは気持ちによって色が変わっているもので拾うと記憶が蘇って来るのか..)
結論を出して満足していると一つだけ白い貝殻があることに気がついた。
「おっ!今まで見てこなかったやつー!なんだろうな〜」
そして拾うと
ドン
後頭部に鈍器でなぐられたかのような衝撃が走った。
『おっ!通知届いてる〜なんだろ〜?』
『おい!お前危ないぞ!』
『チッあの爺うるせぇな..おっ!心美ちゃんから返信きた〜♪』
『危ないっ!』
『キキーッドン!』
(は...?
なんだよ今の..事故..?
嘘だろ...)
しばらく驚いていたら気づいた時には変な門の前にいた。
(ここは..?まさか...)
すると天使らしき少年が来ていった。
「こんにちは。ようこそ死の世界へ。今から地獄へご案内いたします。」