わたあめ

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1/1/2025, 9:26:13 AM

 こぎつねのフウタとこうさぎのフワリは風の丘で遊んでいます。落ち葉をいっぱい集めてきました。
 「フウタ、今年最後の日なんですって。一年の最後の挨拶は『良いお年を』って言うんですって」
 「へぇ、そうなんだ」
 フウタは落ち葉を拾って『良いお年を』と言って落ち葉を飛ばしました。
 フウタの飛ばした落ち葉は風に乗って、どんぐりを拾っているこりすのスキップのところに届きました。スキップが落ち葉を拾うと『良いお年を』というフウタの声が聞こえました。スキップも『良いお年を』と言って落ち葉を飛ばしました。
 スキップこ飛ばした落ち葉は風に乗って、窓の外を眺めているこぐまのマリのところへ届きました。マリは窓を開けて落ち葉を拾いました。落ち葉を拾うと『良いお年を』というフウタとスキップの声が聞こえました。
 マリの飛ばした落ち葉は風に乗って、風の丘のフワリのところに届きました。フワリが落ち葉を拾うと『良いお年を』という、フウタとスキップとマリの声が聞こえました。
 フワリとフウタは顔を見合わせて大笑い。
 周り中に『良いお年を』という賑やかな声が響き渡っています。

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お題:良いお年を

12/31/2024, 4:03:49 AM

 橙子は今年一年の日記を読み返す。これは橙子が毎年行っている行事のひとつだ。
 橙子には記憶力がない。だから、日記を読み返しても誰かが書いた物語を読んでいるような気分だった。
 初詣から始まり、節分、ひな祭り、お花見といろんな催しがあった。橙子はこの様な季節の催しには積極的に参加した。記憶力のない橙子にも人々の弾んだ気分が映ってワクワクするのだった。
 夏の盆踊りや花火大会、秋のお月見や橙子の誕生日、そして冬にはクリスマス。幸せな気持ちで日記を読み終える。日記には幸せな思い出だけを書き留めている。
 最後のページまで読むと、もう一度最初のページに戻る。そして、用意した来年のカレンダーを開く。そして、日記とカレンダーを見比べながら一年の予定を書いていく。
 1月1日元旦。初詣に行く。
 1月2日実家に新年の挨拶に行く。
 …
 2月20日雛人形を出す。
 …
 12月26日クリスマスツリーをしまう。
 12月27日大掃除をする
 12月29日来年のカレンダーを買う。
 …
 12月31日日記を読み返す。来年の予定をカレンダーに書く。
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お題:一年を振り返る

12/30/2024, 8:02:00 AM

ある山の中に小さな家がありました。
そこにはお父さんとお母さんと子どもたちが住んでおりました。
あまり裕福ではなかったのですがとても親切な家族でした。
ある日、お父さんが街に仕事に行った時ひとりの老人を助けました。老人はお礼に一本の苗木をくれました。
お父さんは家の前にその苗木を植えました。子どもたちは毎日水をやり苗木の成長を見守りました。
翌年にはみかんの木には実がなり、とても喜んでみんなで食べました。
それからも毎年の様にみかんの実をつけ、家族を幸せにしました。
天候が悪く、他の作物ができない年でも、そのみかんの木だけはしっかりと実をつけるのでした。
子どもたちは大きくなり、みんな家を出て行きました。
それでも年末年始には家族と一緒に山の家に帰ってきました。そんな時、みかんの木はたっぷりと実をつけみんなで揃ってみかんを食べるのでした。

お父さんもお母さんもいなくなり、家にはもう誰もいません。
みかんの木もすっかり年老いて実をつけることがなくなりました。
ある日、道に迷った旅人がおりました。旅人は動くことができなくなりみかんの木に腰をかけました。
旅人の前にぽとりとみかんの実が落ちてきました。旅人はみかんを食べまた歩き出すことができました。

それ以降、みかんの木に実がなる事はありませんでした。
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お題:みかん

12/29/2024, 10:45:02 AM

「何が最近静かじゃないか?」亀さんが言いました。
「子ども達の声が聞こえないからじゃないのかい」と松さん。
「冬休みに入ったらしいよ」と桜さん。
年が明けたらまたみんな戻ってくるよ。
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お題:冬休み

12/28/2024, 8:18:56 AM

 木枯らしが吹く季節になった。コートの背中を丸めて駅への道を急ぐ人々の波に乗る。子どもの頃、上着のポケットに手を入れて歩くと怒られた。それで大人になった今もまだポケットに手を入れて歩くことに慣れない。家に帰ったら手袋を探そうと心に決めた。
 家について冬物を入れているクローゼットの引き出しを開ける。「確かこの辺にまとめて入れたんだけどなあ」と思いながら、ごそごそと奥に手を入れる。
 部屋で履いていた毛糸の靴下が出てきた。これも出しておこう。続いて、マフラーにニット帽も出てきた。ついに出てきたベージュの手袋。
 手ぶくろに手を入れるとちくりと何かが刺さったような感じがした。慌てて手を出して、何かが刺さった部分を見る。特に問題はなさそうだ。
 手ぶくろをひっくり返して見る。何か動いているものがいる。虫?恐る恐る手ぶくろを目の近くに持ってくる。1センチくらいの…何だろう。人の形をしている。小人?宇宙人?
 私はどうしたらいいかわからず、その生き物の動きを見守ってみることにした。
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お題:手ぶくろ

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