夢乃鳥

Open App
4/8/2024, 11:39:40 AM

夏、蝉の声とチャペルの音。
大好きな貴女は幸せそうに男性と腕を組んでいる。
白いドレスが良く似合う。

私が6歳の時に産まれた貴女。
母からは「良いお姉ちゃんでいてね」と言われたから私はずっと貴女の良いお姉ちゃんでいたわ。

おもちゃもあげた、相談にも乗った
貴女への恋心も隠し通した。

これからも、ずっと私は貴女の良いお姉ちゃん。

4/7/2024, 12:28:09 PM

17時、学校の裏山。
沈む夕日を眺めていた。

チセ「手、止まってるよ」
ハル「あっ……ごめんなさい」
チセ「…休憩しよっか」

私たちは近くの岩に座る。
学校指定のジャージが土まみれだ。
手も豆だらけで痛い。

ハル「ごめんなさい……私のせいで」
チセ「いいのよ、ハルに無理やり迫ったコイツの自業自得よ」

チセさんは足元のブルーシートに包まれ横たわる170cmソレを蹴り飛ばした。
ソレは転がって穴に重い音を立てて落ちた。

チセ「さっ埋めちゃお」
ハル「はい…………あの、チセさん」
チセ「なに?」
ハル「どうして……手伝ってくれるんですか?バレたらチセさんまでっ……!?」

唇に柔らかいものが当たる。
チセさんの顔が近い。
顔が熱くなる……。

チセ「そういうこと」

4/6/2024, 11:47:18 AM

君の目を見つめると私が映る。
でも君は私を見ていない。
だって君が恋しているのは、見つめているのは

私の双子の妹。
君じゃない人と結婚した妹。
同性だからと君をフった妹。

私と瓜二つの顔、両親でも聞き分けられない声。
君は私を見ながら妹を見ている。
それでもいいよ。

私は君が好きだから……。

4/5/2024, 10:46:50 AM

星空の下、海岸。
少女が2人手を繋いで立っている。
彼女達の黒いセーラー服が夜闇に混ざる。

セイカ「本当に後悔しない?」
キララ「しないよ、ずっーとセイカと居られるんだもん」

どぷんっ……!

星空の下、海岸。
無人の浜辺に波の音が響く。

4/4/2024, 1:30:09 PM

マユ「聞いて聞いて! 私、プロポーズされちゃった!」

昼下がりのファミレス、私の幼なじみが薬指に輝く指輪を見せてくる

サチ「あらぁ! 良かったわねぇ。
私も恋愛相談に乗った甲斐があったわ」

私は笑顔で、機嫌のいい高い声で、マユを祝福する。
でも私は、マユを心から祝福できない。

マユ「それでね、サチには結婚式でスピーチして欲しいの!」
サチ「あら、私でいいの?」
マユ「もちろん! サチは私の一番の親友だもん」

〈親友〉 その言葉が私に突き刺さる……。
そう、私はまゆの親友。
それでいい、それで充分。

マユ「やってくれる……?」
サチ「もちろん! 私はマユのこと……大好きだもの」

Next