茜空と闇夜の斑

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3/16/2024, 3:01:17 AM

彼が

ほしとりにいくと言い出した


『星鳥によろしく』


なんだよ、それ、と彼は笑った


『うまく撮れたら、見せてくれよ』


まかせろ、と彼は

見慣れない道具を担いで

意気込んで出掛けていった




それっきり、帰ってこない




彼は【星を採り】に行ったのだ

ここを出るときには、

もう、僕より狂ってた。



↦↦↦↦↦↦↦↦↦↦[それからそれから]



星採りは帰ってきた


もうむちゃくちゃ


腕は網とくっついてるし、


目なんか7つもある



『存外変わったじゃあないか。

星はトレタかい…?』



すると彼は得意そうに、


星は採れるかどうかではなく


採るか採らないかなのさ、と言った


彼の7つの瞳はキラキラと輝き


急に僕の方が化け物のような気がした。



[ホシガアフレル]

3/10/2024, 10:22:32 AM















[人見知りだと思ったらただの人間嫌いでした]

3/9/2024, 11:33:42 AM

許してほしくて

ずっとここで待っていました

そのかいあって

あなたに出会うことが出来ましたが

その隣には

あなたにとっても幸福

わたしにとっての絶望がいたのでした



他者を理由に

ここにとどまり続けたわたしに

あなたは軽蔑の一瞥を向け

わたしの過ぎ去りし日々さえ

粗悪なニセモノにするのでした




[どんな私も許してほしかった]

3/9/2024, 6:24:28 AM

マネジメントされたテレビ番組

菩薩様のように微笑む老婆



『お見合いだったのだけど、

そのひとの真っ黒に汚れた爪を見てね、

働き者だと思ったの』



はて、

私は、これから迎えに来る男の

どこが好きなのだろう



かわいいっていってくれるところ?

何でも買ってくれるところ?

真っ赤なFerrari?



テレビの老婆はなおも声を上げて笑う

『そうねぇ!

生まれ変わったらまた、一緒になってあげてもいいねぇ。

またきっと、苦労ばかりだわね!』



嗚呼、なんだ。

この老婆も私も

所詮はその人に愛される自分が好きなのだ。



細塵で最大の

老婆になっても愛してもらえるかという違いはあるが

それはその時考えればいい

私はいつもどおり鏡に妖艶に微笑んで、自分に言う




「いってきます」




[愛という戦略的侵略戦争]

3/3/2024, 6:19:49 AM

パールアカシアの香りに

ふと立ち止まりおもう

「果たして、いつまで『いつもどおり』なのだろう」



この『いつもどおり』はいつからのものだろう

貴女はカミサマのところに家出をして

もう僕の名を呼ばなくなった

戀しくて足りなくて埋められなくて

ただふらりふらりと彷徨う『いつもどおり』



難しいお顔ですわね、と

昨日会ったばかりの女が隣手に微笑む『いつもどおり』  



「帰ってくれ」

違うんだ、もう僕に還しておくれ

恐ろしく儚いくせに永遠の顔をするのはやめておくれ



[いつもどおりの魔法]

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