茜空と闇夜の斑

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10/19/2024, 1:46:42 AM

何かになれると思っていた


幼いころ


結局何者にもなれなくて


命の意味など


深くは考えないようにしている


今日この頃



[秋晴れ のち 雨]

9/21/2024, 4:24:53 AM

『嫌っていうか…

悲しい気持ちになるのよ、

あなたと話していると』


彼女はそう言って

顔ごと伏せて

不必要な洗い物をはじめた


カチャカチャンと

小気味よくぶつかる食器たちは

間違いなく僕らより陽気だった


ぼくは彼女の心を摩耗させてきたらしい

守ってあげたかったのに

包みこんであげたかったのに


彼女は限界だった

にこにこしていないと

涙をコントロールが出来ないくらいに

そうしてないとニンゲンを辞めてしまいたいくらいに


辛い時、彼女は歌を歌う

いつまでもいつまでも

くりかえし同じ歌を

歌詞が聞き取れないくらい小さな声で


本能的に思考を逃がしているのだと思う

彼女は優しいので

悲しさと虚しさを他人にぶつけることができない

話しかけないで、と伝えられない


彼女は防護壁を築くように歌うので

僕は何も言えなくなる



『とある日のぼくら』

5/7/2024, 12:03:10 PM

初恋の日

初めての失恋を

確信した日

5/5/2024, 2:38:11 AM

亡くなっても

ココロ中でずっと、いっしょ



というけれど

私はそれは少し違うと思う

それは独りよがりの希望的ニセモノで

会いたいその人とは時と共にかけ離れていってしまう



亡くなっていようと

生きていようと

人のそれは

強く思い入れのある場所に残影する



会いたくなったらそこに赴いて

何気なくその空間で時を過ごしながら

ふと振り返った瞬間に

風が吹いた瞬間に

時報が鳴った瞬間に

お茶を淹れた瞬間に

会いたいその人に会えるものなのだ



それで少しだけ頬が緩んだら

また来るね、って

自分の時間に帰るのだ


↦↦↦↦↦↦↦↦↦↦↦↦↦↦↦↦↦

夜に響く野鳩の声

汲み取り式のトイレから出て

長く続く廊下の向こう

障子張りの居間


耳の遠い祖父の趣味は

夜ふかししてみる映画鑑賞

大音量でなる

「天使にラブソングを」


一度のまばたきで

電気が消え静まり返った居間に戻る

祖父はもういない


いきどころのない

『おやすみ』


4/29/2024, 3:56:13 AM

真人間の刹那的な正義を

資本主義の化獣共が笑う



統制の取れた様に見える世界で 

共産主義の化獣共が考え無しに繁殖する



ガジュマルの木に精霊がいて

風とともに歌う



使い古した箒に魂があって

夜な夜な踊る



それじゃあ駄目なんだろか

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