茜空と闇夜の斑

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8/1/2023, 12:16:11 PM


優しいカムパネルラ


尊いカムパネルラ


君の正義は鋭利で苦しい


明日、もし晴れたら


満天の星空の下


君の名前を叫んでもいいか



「なにがしあわせかわからないです。

ほんとうにどんなつらいことでも

それがただしいみちを進すすむ中でのできごとなら、

峠とうげの上りも下りも

みんなほんとうの幸福こうふくに近づく一あしずつですから」




[燈台守の核心_『銀河鉄道の夜』ジョバンニの切符の一節より]

7/31/2023, 12:11:32 PM


毎夜、羽根を失い続ける


目が覚めるたび


みすぼらしくなる心


何故、あの時


2本脚で歩く君の手をとれなかったのか



[天使の恋_だから、ひとりでいたい(何千年も君の手をまっている)]

7/30/2023, 2:39:18 PM

ノスタルジックを感じたくて

少し大げさに

ラムネ瓶を傾ける

カロン、と

ビー玉がなく


その主張に

昔飼ってた

猫の瞳を思う

宇宙の果に繋がっていそうな

澄んだ瞳は

いつだって泣きたい僕に

静かに寄り添ってくれた


にゃーん…

カロン…


[ラムネ瓶のビー玉と猫]

7/29/2023, 11:38:21 PM

夢の中に白いワンピースの少女が現れる

対比のように黒く長い髪は

冬の夜空のように

きらめき何処までも遠い



嵐が来ても彼女のそれらは

はらりとも揺らぎそうにない



その少女は私の同級生だ

高校生で自らホシになった



明るく美しい笑顔

恵まれた才能

なんでも持っている子だった

何でもできる子だった
 


訳が分からない

彼女にとっては

たくさんのうちの一人だっただろうが

私にとっては唯一の友人だった



許さない

私は許してない

いじめの加害者も

毒物を売り捌くやつも

『遊ぼう』って連絡できなかった私も

何年経っても全然なにも許せない



夢の中で

もう何度も彼女に手を伸ばした

私は大人になったから

いっしょにかえろ

彼女はいつも『ごめん』と口元だけで笑うと

嵐のような向かい風が吹いて

私だけが急速に遠のく



[コレハフィクションデス]


7/28/2023, 12:19:44 PM

カナカナムシの声が引きずりだす

遠い記憶



私は昔からニンゲンと上手くやれなくて

いつも母を困らせた

かき氷に群がるくらすめいと、を

蟻みたいだと思いながら遠目に見ていたら

母がポンと背中を押すものだから

足が一歩前に出てしまった

私はそのままそこで

街路樹になってしまいたかった



[祭り囃子は、孤独の輪郭を撫でる]

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