夢の中に白いワンピースの少女が現れる
対比のように黒く長い髪は
冬の夜空のように
きらめき何処までも遠い
嵐が来ても彼女のそれらは
はらりとも揺らぎそうにない
その少女は私の同級生だ
高校生で自らホシになった
明るく美しい笑顔
恵まれた才能
なんでも持っている子だった
何でもできる子だった
訳が分からない
彼女にとっては
たくさんのうちの一人だっただろうが
私にとっては唯一の友人だった
許さない
私は許してない
いじめの加害者も
毒物を売り捌くやつも
『遊ぼう』って連絡できなかった私も
何年経っても全然なにも許せない
夢の中で
もう何度も彼女に手を伸ばした
私は大人になったから
いっしょにかえろ
彼女はいつも『ごめん』と口元だけで笑うと
嵐のような向かい風が吹いて
私だけが急速に遠のく
[コレハフィクションデス]
7/29/2023, 11:38:21 PM