ふとした瞬間
午後の日差しがカップに揺れる
ページの隙間から 風がこぼれる
何気ない静けさのなか
心に小さな波が立つ
ふとした瞬間
君の声が耳もとで蘇る
笑った顔も 拗ねた横顔も
まぶたの裏に優しく浮かぶ
時計の針がゆっくり進むたび
忘れたはずの想いが
そっと戻ってくる
何でもない日常のすきま
光が差し込んで
私はまた 大切なものを思い出す
ふとした瞬間に
恋しさが 静かに目を覚ます
1度離れても
夕暮れの駅 ふたり歩いたホーム
重ねた手のぬくもりが
少しずつ 遠ざかっていく
別れ際の背中に
言えなかった言葉だけ
そっと残したまま
風が吹き抜ける
1度離れても
きっと心は迷わない
思い出が 細い糸で
静かに繋いでいるから
季節がいくつ巡っても
あなたの笑顔は
胸の奥で灯り続ける
いつかまた会える日まで
希望だけは
手放さず歩いていくよ
たとえ今 離れても
愛は消えずに ここにある
いいねお願いします'ᢦ'
こっちに恋
夕暮れ 交差点の向こう
胸の中で 赤信号がふるえている
「こっちに恋」
小さな声が ためらい越しにささやく
行き場のない片想い
ポケットの中の秘密みたいに
君に届くか分からないけど
今日こそは 心を踏み出してみたい
風が君の髪を揺らすたび
世界の輪郭が 優しくぼやけて
僕の世界は ほら
君を中心に廻りはじめる
「こっちに恋」
願いが 空に溶けていく
君がふり向く たったそれだけで
僕の季節が変わってしまう
朝焼けの向こう、
光が指し示すほうへ、
まだ見ぬ景色を探して、
一歩を踏み出す。
誰かの声が聞こえる。
「どこへ行くの?」
答えはまだ胸の中——
風に揺れる心とともに。
まっすぐじゃなくてもいい、
立ち止まってもいい。
道の先で出会う笑顔も、
ひとしずくの涙も道しるべ。
歩きながら探してる、
私だけの“行き先”を。
「どこへ行くの?」
その答えを抱きしめながら。
今の気持ちが影絵となって現れる🥺