私の恋人は私の理想そのままなの!
ほんと好き!大好き!
そう言って、親友は今日も私の横。
笑顔を浮かべ、話をしています。
2週間前、親友に恋人ができました。
あちらの方からの告白で。
両片思い、だったようでした。
よかったね。私も嬉しいよ!
と。そう嘘を吐くのは何度目でしょうか。
私は少々、この時間が苦痛であります。
できる事なら、
私があなたの生涯のパートナーとなりたかった。
ねぇ、なんか元気なさそう、。
大丈夫?
大丈夫大丈夫!元気だよ。
考え事、してただけ。
あぁ。
あなたの理想は、私ではなかったのですね。
大切な人は今はただ出掛けているだけで
今も尚生きていると、そう考えてしまいます。
祖母はまだ50数の人でした。
孫の私たちにいつも甘く、母に叱られて
それでも笑ってどこかへ連れていってくれる。
面倒見がよく、いつも励まし、私たちを笑顔で迎える。
そんな祖母が大好きでした。
孫の中でも
私が1番叔母に名前を呼ばれ。
私が1番叔母と仲良しで。
私が1番叔母と笑い合った。
そんな記憶しか毛頭ありません。
3年前の丁度今日、母から告げられたあの言葉。
私は忘れたとは言わせません。
『祖母は肺癌になった。後3年、持つかも怪しい。』と。
泣きながら電話ごしに聞いた時は、
私も頭が真っ白になりましたよ。
あの元気な祖母が肺癌だなんて、そんな筈がないと
信じて疑いませんでしたよ。私は。
祖母は我慢強い人でした。
私たちに何も告げないで
逝く予定だったのでしょうか。
それは、今でも分かりません。
私には、この世でたった一つだけ後悔があるのです。
それは高校1年の頃、
好いていた女子と両思いだとダチから聞きまして、
それでも告白へと挑めなかったことであります。
次は、次は、次こそは
と先延ばしにしてしまった告白。
私は無事高校2年となりましたが、
彼女は___
遠い所へと行ってしまいました。
もう過ぎたことだと、そう自分に訴えても
やはり後悔は残りました。
両思いだったのに、何故。
何故私は彼女へ告白しなかったのか。
そうすれば
彼女にあんな思いをさせなかったかもしれません。
妻は告白時の話を楽しそうに、笑いながら
それでねーあれでねーと話しますが。
私としては、あなたから告白され付き合う前に
自ら告白したら良かったと。
後悔、しています。
__あなたが好きでした。
いつも私の隣でよく笑って
いつも私と不良との喧嘩で怒り
いつも私と普通の友達として接してくれた
そんなあなたは1年前、
不慮の事故で亡くなりました。
私はとてもじゃないほど泣き叫び、次の日も次の日も
あなたが火葬されると知るまで
冷たいあなたを抱きしめておりました。
これはあなたの手の込んだ冗談で
この後私の手を強く握り
いつもの明るい笑顔を見せてくれると
そう信じて疑いませんでした。
ですがあなたは一度も、私に笑顔を向けるどころか
手を握り返してもくれなかった。
大の大人は大きく泣き崩れ、
あなたはより一層冷たさが増したように思いました。
あれから1年という年月が経ちました。
思えばあの時が、何年も泣かず生きてきた私の中で
唯一泣いた日であったとしみじみ感じています。
1年前のあの日。
私はあなたへ伝えたかった事がありました。
今まで混乱と社会復帰の為、
あなたとはあの日以来会わず、
仕事に打ち込んで参りました。
あなたへ顔を見せるのが、遅くなり
大変申し訳ありません。
ようやく心の整理がつきましたのでお伝えします。
私はあなたの眠っている墓に向けて
長年の思いを吐露するのです。
私は___、、